むかしむかし、ミドリムシは紅かった?―遺伝子水平伝達がもたらした光合成生物のゲノム進化―研究成果

「むかしむかし、ミドリムシは紅かった? |
2011年4月19日
1.発表概要:
長い研究の歴史を持ちながらも、未だその進化過程には謎の多いミドリムシ。動物だか植物だかその分類が問われ続けているミドリムシ。ひとたびミドリムシのもつ遺伝子の由来を調べてみると、ミドリムシが実はいくつもの生物が融合して生まれた「ハイブリッド生物」だったことが見えてきました。今回我々は、独自に開発した遺伝子解析法を用いてスーパーコンピュータでミドリムシのゲノムを調査したところ、紅藻や紅藻由来の葉緑体を持つ別の植物に起源をたどることができる複数の遺伝子を発見しました。こうした遺伝子は、現在は緑藻に由来する「緑色」の葉緑体を持つミドリムシが、かつては紅藻に由来する「紅色」の葉緑体を持つ『アカムシ』だったことを示しているのかもしれません。
2.発表者:
丸山真一朗(日本学術振興会特別研究員: 現・カナダ、ダルハウジー大学博士研究員)
野崎久義(東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻 准教授)
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