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平成23年度 神縄・国府津-松田断層帯構造調査「箱根-富士吉田測線」の実施について記者発表

「平成23年度 神縄・国府津-松田断層帯構造調査
『箱根-富士吉田測線』の実施について」

平成23年7月21日

東京大学地震研究所

東京大学地震研究所(所長 小屋口剛博)は、文部科学省が実施している「神縄・国府津-松田断層帯における重点的調査観測」(研究代表 東京大学地震研究所・岩崎貴哉)の一環として、同断層帯の西方延長の地殻構造を明らかにするために、「箱根‐富士吉田測線」において反射法・屈折法による地殻構造調査を実施します。

1. 地殻構造探査の目的
フィリピン海プレートに属する伊豆半島と、本州側のプレートとの間には、神縄・国府津-松田断層帯などの大規模な活断層が存在しています。しかしながら、伊豆衝突帯の北西部では富士山の火山噴出物に覆われて伏在する活断層の存否を含め、地下の構造がよく分かっていません。本調査では、プレート境界部を横切る箱根-富士吉田にいたる区間で、地下構造調査を行います。この調査では、34kmの区間で反射法・屈折法による地殻構造探査を行い、富士火山噴出物下の断層を含めた地下の構造を明らかにします。

2. 地殻構造探査の内容
調査測線は、山梨県富士吉田市から、同県南都留郡山中湖村、静岡県駿東郡小山町、同県御殿場市を経て同県裾野市に至る直線距離で約34kmの区間です。測線のうち約8割が国道138号線上に位置します。測線の南東部の約3kmの区間は有料道路「箱根スカイライン」を使用するほか、県道市道等も一部で使用する予定です。
測線全線に渡って受振器(小型地震計)を、25もしくは50mの間隔で設置します。総受振点数は、780点です。バイブロサイス(大型起振車)(資料2参照)や火薬により人工的な振動を地下に投射し、地下深部から反射あるいは屈折して地表に戻ってくる弾性波(反射波、屈折波)を、稠密に展開した多数の受振器(地震計)により記録し、地殻の詳細なイメージングを行います。大型バイブロサイス車は4台使用します。なお、バイブロサイス発震作業は、日中に交通量の多い道路上では夜間から深夜にかけて実施する予定です。またダイナマイト発震は、深夜に実施する予定です。

3. 調査期間
測量作業........................... 平成23年7月16日~平成23年7月28日(13日間)
受振器展開および発震作業..........平成23年7月20日~平成23年7月31日(12日間)

本件に関するお問い合わせ先:
東京大学地震研究所 地震予知研究センター 教授 佐藤比呂志

資料1 「箱根-富士吉田測線」測線図
20110721_01

資料2 バイブロサイス
20110721_02

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