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平成23年度 ひずみ集中帯地殻構造探査「六日町-直江津測線」の実施について記者発表

「平成23年度 ひずみ集中帯地殻構造探査『六日町-直江津測線』の実施について」

平成23年8月16日

東京大学地震研究所

東京大学地震研究所(所長 小屋口剛博)は、文部科学省が実施している「ひずみ集中帯の重点的調査観測・研究」(研究代表 独立行政法人防災科学技術研究所・関口渉次)の一環として、ひずみ集中帯の活構造の全体像を明らかにし、震源断層モデルを構築することを目的として、平成20年度より5カ年にわたり、「反射法・屈折法による地殻構造調査」を新潟県など東北日本の日本海側の地域において実施しています。平成23年度は、8月中旬から「六日町‐直江津測線」において地殻構造探査を実施します。

1. 地殻構造探査の目的
東北日本の日本海側の地域及び日本海東縁部は褶曲‐断層帯を形成し、2004年新潟県中越地震や2007年新潟県中越沖地震だけでなく、歴史的にも1964年新潟地震(M7.5)など多くの被害地震が発生してきました。内陸地震に伴う強い揺れを精度よく予測するためには、これら活断層‐震源断層の深部形状を明らかにすることが重要です。本調査では、新潟県上越市大潟区上小船津浜の海岸を基点として、海側の約19kmおよび陸側の南魚沼市鰕島の魚野川西岸に至る約55kmの全長約74kmの調査測線において、反射法・屈折法による地殻構造調査を行います。
本調査によって、震源断層の位置と形状を明らかにし、発生する地震の強震動を予測するための基礎資料となる地下構造を明らかにします。

2. 地殻構造探査の内容
調査測線は、海岸を基点に海側の約19km区間と陸側の約55km区間から構成されます。各区間の測線位置および概要は下記のとおりです(添付した測線図を参照して下さい)。
・海域区間
新潟県上越市大潟区上小船津浜の海岸を基点とする西微北方向の約19kmの直線区間。このうち海岸から約9km区間について海底敷設型受振ケーブルを設置します。
・陸域区間
新潟県上越市大潟区上小船津浜の海岸を基点として、上越市旧大潟町および同市旧吉川町を経て高田平野北部を横断し、上越市旧吉川町、同市旧大島村、柏崎市旧高柳町を経て東頸城丘陵を横断して十日町市に至り、さらに信濃川を越え、魚沼丘陵を横断して南魚沼市鰕島の魚野川西岸に至る西微北-東微南方向の約55km区間。
このうち海域では水中音波発震装置により、陸上ではバイブロサイス(大型起振車)(資料2参照)や火薬により人工的な振動を地下に投射し、地下深部から反射あるいは屈折して地表に戻ってくる弾性波(反射波、屈折波)を、稠密に展開した多数の受振器(地震計)により記録し、地殻の詳細なイメージングを行います。

3. 調査期間
平成23年8月16日~平成23年9月3日(約20日間)

【参考】「ひずみ集中帯の重点的調査観測・研究」の概要
文部科学省では、平成20年度から、「ひずみ集中帯の重点的調査観測・研究」を実施しています。このプロジェクトでは、近年、大きな被害地震が頻発しているひずみ集中帯において、活断層及び活褶曲等の活構造の全体像を明らかにし、震源断層モデルを構築することにより、ひずみ集中帯で発生する地震の規模の予測、発生時期の長期評価、強震動評価の高度化に資することを目的とした研究を行います。自然地震観測・地殻変動観測・地殻構造調査・地質地形調査など、総合的な調査研究が、5カ年にわたって実施されます。
 
・地震研究所ひずみ集中帯ホームページ http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/hizumi/

本件に関するお問い合わせ先:
東京大学地震研究所 地震予知研究センター 教授 佐藤比呂志

資料1 「六日町-直江津測線」測線図
20110816_01

資料2 バイブロサイス
20110721_02

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