東京大学とISIDが共同で「世界価値観調査2010」日本データをiPad分析アプリにて無償公開研究成果
東京大学とISIDが共同で |
平成24年7月2日
東京大学大学院人文社会系研究科
東京大学(調査代表:大学院人文社会系研究科教授 池田謙一)は、2010年に実施した「世界価値観調査2010」日本データを、株式会社電通国際情報サービス(本社:東京都港区、代表取締役社長:釜井節生、以下ISID)のオープンイノベーション研究所が開発したiPad分析アプリ「CoCoMarketing(ココマーケティング)」を用いて、2012年7月2日より無償で公開いたします。
世界価値観調査は全世界的に著名な調査データですが、研究目的で実施・集計されているために研究者以外には公開されておらず、また公開されたとしてもデータの扱いに精通していなければ取扱いができない形式で提供されています。そのため個人でデータを分析することは難しく、一般の方が分析結果を知る手段は研究者の研究発表以外にほとんどありません。
しかしながら、この調査のように豊富な内容を含んでいる場合、データを手にして分析する機会と道具さえ与えられれば、研究者の視点以外からの分析でもさまざまな発見や認識を新たにする可能性を手に入れることができます。つまり、短いニュースリリースや一般に入手困難な研究論文では語り尽くせないことについてまで、データを探索できる、という意味で画期的な機会がここに生じます。まして、科学データが閉じて研究者以外に公開されていないことの難点が、東日本大震災後の現在、広く問われてもいます。その意味で今回のデータの無償公開は、広い範囲の社会・国民への発信という点でのブレークスルーを果たそうとしています。
今回の公開により、データの扱いに精通していない学生・一般の市民や企業の市場調査担当者などが、さまざまな切り口で「世界価値観調査2010」日本データを分析することが可能になります。また、本アプリでは分析した結果をFacebookやTwitterなどのSNSに公開することもでき、「世界価値観調査2010」日本データをより広く社会と共有する新しい試みへの架け橋を提供いたします。
≪「世界価値観調査」概要≫
世界価値観調査は世界97カ国・地域の研究組織によるグローバル協働プロジェクトで、定量調査により、世界の異なる国の一般の人々の価値観/意識を、社会文化的、道徳的、宗教的、政治的などの各カテゴリで比較・分析するものです。
本調査は、過去30年にわたり時系列調査を行っており、6回目となる2010年日本調査には、文部科学省平成22年度科学研究費補助金により、東京大学と電通総研が協働で参画し、2010年11~12月、全国18~79歳を対象に訪問留置法で実施しました。
今回の公開により、以下のような分析が可能となります。
1.「世界価値観調査2010」日本データをさまざまな抽出条件で集計することができます。例えば「現在の生活満足度」に対する回答(1:不満~10:満足)を「男性20代」と「男性70代以上」で比較するなどが可能です。
2.設問に同じ回答をした人に共通の特性(プロファイル)を自動的に把握することができます。例えば、「新しいアイデアを考え、自分のやり方で行う」という設問に「非常によく当てはまる」と回答した人は、「婚姻形態」に「独身」と回答している人に多いといった特性が自動的に列挙されます。
3.集計結果をグラフ化し、その結果をソーシャルメディア(Facebook、 Twitter)へ簡単に公開することができます。
( 詳細はこちらをご覧ください: http://www.isid.co.jp/inolab/cocom/wvs2010.pdf )
「世界価値観調査」日本結果のプレスリリースはこちら
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_230422_j.html
「CoCoMarketing」アプリの概要
対応環境: iOS4.0 以降のiPad
詳しい説明はこちら :http://www.isid.co.jp/inolab/cocom/
<本件データに関するお問い合わせ先>
東京大学大学院人文社会系研究科社会心理学研究室 池田謙一
<CoCoMarketingに関するお問い合わせ先>
株式会社 電通国際情報サービス
オープンイノベーション研究所 CoCoMarketingカスタマーサービス
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