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平成24年度 立川断層帯トレンチ調査「榎(えのき)トレンチ」の実施について記者発表

平成24年度 立川断層帯トレンチ調査「榎(えのき)トレンチ」の実施について

平成25年2月6日

             東京大学地震研究所

東京大学地震研究所(所長 小屋口剛博)は、文部科学省が実施している「立川断層帯の重点的調査観測・研究」(研究代表 東京大学地震研究所 教授 佐藤比呂志)の一環として、立川断層帯の地表付近の構造や過去の活動について明らかにすることを目的として、平成24年度よりトレンチ調査などの活断層・変動地形調査を実施しています。トレンチ調査とは、地形に残された活断層の痕跡などを手がかりに、調査溝(トレンチ)を掘って人工的に地層を露出させ、断層や地層の構造や形成された時期などから過去の地震の時期(活断層の活動史)などを推定する調査方法です。
今回の調査では、平成24年10月より、これまでの活断層トレンチ調査では類を見ない巨大トレンチ調査を実施しています。

1.トレンチ調査の目的
立川断層帯は、名栗断層と立川断層から構成され、埼玉県飯能市から東京都青梅市、立川市を経て府中市に至る、長さ33 km、北西走向の断層帯です。今回のトレンチ調査は、立川断層帯の主部をなす立川断層において行います。立川断層は、北西走向で長さは20km余、首都圏にあってごく近い将来に活動するおそれのある活断層として注視されています(地震調査委員会、2003;2011)が、その活動履歴はもとより活断層としての性格についても未だ不明な点が多々残されています。それらを解明するため、本調査では、長さ約250m、深さ約10mとこれまでの活断層トレンチ調査では類を見ない巨大なトレンチ(榎トレンチ)を掘削しました。

本調査は、これまでの通常のサイズ(長さ数10m、深さ3-5m)のトレンチ調査では把握することが難しかった、立川断層がつくった変位構造の全体、すなわち、主断層帯をその変位に関係した変形構造全体とともに捉え、さらに活動の繰り返し性の把握をも狙った新たな試みです。本調査によって、立川断層の古地震履歴を明らかにするとともに、よくわかっていない地表付近の構造に関する直接的なデータを得ることが期待され、発生する地震の強震動を予測するための基礎資料を明らかにします。

2. トレンチ調査の内容
トレンチの位置および概要は資料のとおりです。

3. 調査期間
  平成24年10月29日~平成25年3月14日

4. 現地説明会
  本調査の内容について、報道関係者を対象として、下記の日程で現地説明会を行い、本調査の内容についてより詳しく説明いたします。当日は、真如苑プロジェクト事務所1階ホールで調査内容についての説明・質疑応答の後、掘削溝に移動し、トレンチ壁面の紹介をします。

平成24年度立川断層帯トレンチ調査 榎トレンチ 現地説明会
日時 :
平成25年2月6日(水) 
① 13:00 ~ 14:00(会議室での調査内容説明)
② 14:30 ~ 15:30 (調査現場において掘削溝の壁面の紹介)
場所 :
① 真如苑プロジェクト事務所1階ホール
[住所: 武蔵村山市榎1丁目17]
② 真如苑プロジェクト用地内 トレンチサイト
[住所: 同上]
西武拝島線・武蔵砂川駅より徒歩17分、立川バス・大南1丁目よりすぐ

【参考】「立川断層帯の重点的調査観測・研究」の概要
  文部科学省では、平成24年度から、「立川断層帯の重点的調査観測・研究」を実施しています。立川断層帯については、震源断層の形状については不明な点が多く、また長期評価に重要な活動履歴の信頼性は低いとされ、過去の活動時期についてさらに精度良く絞り込む必要があります。また、断層帯の走向から相当程度あると想定される横ずれ成分の平均的なずれの速度は全く不明です。さらに想定震源域が人口稠密地に位置することから、より精度の高い強震動予測が必要になります。こうした背景から、本プロジェクトでは、立川断層帯で発生する地震の規模の予測、発生時期の長期評価、強震動評価の高度化に資することを目的とした研究を行います。自然地震観測・地殻構造調査・変動地形および古地震調査・強震動予測など、総合的な調査研究が、3カ年にわたって実施されます。
 
・地震研究所 立川断層帯ホームページ http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/project/tachikawa/

本件に関する問い合わせ先
  東京大学地震研究所 地震予知研究センター 助教 石山達也

資料 立川断層のトレンチ調査

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