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東京大学がハーバード大学・MITと協力したMOOCの展開に向け、edX(米国)と大規模公開オンライン講座(MOOC)配信に関する協定を締結記者発表

東京大学がハーバード大学・MITと協力したMOOCの展開に向け、
edX(米国)と大規模公開オンライン講座(MOOC)配信に関する協定を締結

2014年2月18日

東京大学

このたび東京大学(総長 濱田純一、以下「東大」)は、エデックス(edX, 米国)との間で大規模公開オンライン講座(MOOC)配信に関する協定を締結しました。

大規模公開オンライン講座 (MOOC:Massive Open Online Course)は、オンラインで誰でも無償で利用できるコースを公開し、修了者に修了証を発行するサービスであり、ハーバード大学、スタンフォード大学、プリンストン大学など世界トップクラスの大学が相次いで参入し、急速に普及しています。

東大は、日本で初めての試みとして、2013年9月よりコーセラ社(Coursera)のプラットフォームを利用して、英語でのMOOC配信の実証実験を行ってきました。村山斉(カブリ数物連携宇宙研究機構 機構長・特任教授)による「ビッグバンからダークエネルギーまで(From the Big Bang to Dark Energy)」と藤原帰一(大学院法学政治学研究科 教授)による「戦争と平和の条件(Conditions of War and Peace)」の2講座を配信し、世界150か国以上から8万人以上が登録し、約5400人が修了しました。2014年度は上記2講座に加え、経済学分野、情報学分野の新規2講座をコーセラで開講する予定です。

東大では、このMOOC提供の取り組みをさらに発展させるために、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(以下MIT)が出資して設立されたMOOCプラットフォームのエデックスと配信協定を締結し、ハーバード大学、MITと協力して近現代の日本に関する連携講座シリーズ「ビジュアライジング・ジャパン(Visualizing Japan)」を開発して、2014年秋より順次提供することになりました。

このシリーズは、東大、ハーバード大学、MITが近現代の日本に関する講座を開発するもので、ハーバード大学からはアンドルー・ゴードン(Andrew Gordon)教授、MITからはジョン・ダワー(John W. Dower)教授が講座を担当します。東大からは、副学長・大学院情報学環教授 吉見俊哉による「ビジュアライジング・ポストウォー・トーキョー Part 1・2(Visualizing Postwar Tokyo Part1・2)」の2講座を配信する予定です。

この講座の実施に関して、履修者の学習状況や成績の分布などの研究を進めるとともに、オンライン講座と対面授業を組み合わせる「反転授業 (Flipped Classroom)」についても試行的実践と評価を行います。

なお、今回の合意に伴い、東大はMITの宮川繁教授を大学総合教育研究センター特任教授・オンライン教育統括ディレクターとして迎え(MITと兼任)、MOOC展開の体制整備を進めていきます。MITは2003年に世界で始めてオープンコースウェアを始めましたが、宮川教授はそれを先導してきたオープンエデュケーションの第一人者です。

今回の連携にあたり、東大の江川雅子(理事)は「エデックスへのコース提供が実現することで、さらに世界の多くの人々に東京大学の知の蓄積を提供できることを大変喜ばしく思っています。また、ハーバード、MITとの連携によって魅力ある教育プログラムを開発することで、東京大学の国際化がさらに進むことを確信しています。」とコメントしています。本講座を担当する吉見俊哉(副学長・教育企画室長)は「東京大学の教員として、世界中の皆様に日本文化への理解を深める講座をお届けできることを非常にうれしく思います。この講座を活用した反転授業の実施により、東大でのグローバル人材教育の充実に資するものと考えております。」と述べました。宮川繁 MIT教授は本講座シリーズの提供にあたり「東大・ハーバード・MITで提供するビジュアライジング・ジャパン(Visualizing Japan)は、世界初の3大学共同のMOOCで、グローバルなコラボレーションの新しいモデルとして注目されています。」と述べています。

エデックスは、ハーバード大学とMITの出資によって2012年5月に設立されたNPOであり、世界中の学習者に最高クラスの大学のオンライン講座を無償で学べる機会を提供するための事業活動を展開しています。2012年5月のサービス開始以来、米国を中心に世界トップクラスの大学が相次いで参加し、これまでに31大学が140以上の講座を公開し、登録者数は約200万人以上にのぼります。エデックスのアナント・アガルワル(Anant Agarwal)会長は「日本の国立大学で最も歴史ある東京大学のエデックス参加を嬉しく思います。私たちは約200万人もの多様な登録者に向けて参加大学のコースを提供することに力を入れており、世界でトップクラスの研究機関である東京大学の参加は、私たちの目標達成の助けとなることでしょう。」とコメントしています。

edXの東大ページ:
https://www.edx.org/school/utokyox

edXのVisualizing Postwar Tokyo ページ:
Visualizing Postwar Tokyo, Part 1
Visualizing Postwar Tokyo, Part 2

(参考)本件に関するエデックスからの発表:
https://www.edx.org/edx-blog

<お問い合わせ先>  
【MOOCに関するお問い合わせ】
東京大学大学院情報学環 准教授 山内 祐平

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