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バトラコトキシンの全合成 モウドクフキヤガエル由来の天然物の完全化学合成 研究成果

掲載日:2023年8月29日

バトラコトキシンは南米原産のモウドクフキヤガエルなどから単離されたステロイドアルカロイドであり、強力な神経毒性を示します。バトラコトキシンの6/6/6/5員環(ABCD環)のステロイド骨格は、AB環、CD環がそれぞれシス縮環しており、U字型をとる特異な三次元構造を有しています。さらに、5つの四置換炭素を含み、環状ヘミアセタールや7員環オキサゼパン)などにより高度に官能基化されています。また、強力な生物活性の発現に重要なピロールエステルを有します。このように複雑な三次元炭素骨格上に多数の酸素官能基が密集した天然物を有機合成化学的に組み上げていくことは極めて困難であり、バトラコトキシンの全合成は有機合成化学上、極めて挑戦的な課題です。

東京大学大学院薬学系研究科の渡邉祐基 大学院生、両角久寛 大学院生、武藤大之 大学院生(研究当時)、萩原浩一 助教、井上将行 教授の研究グループは、収束的合成戦略に基づくフラグメントのカップリング反応を活用してバトラコトキシンの複雑な分子骨格を高効率的に構築し、バトラコトキシンの全合成を最長直線工程22工程で達成しました。

本研究で確立した合成手法は、複雑ステロイド天然物の統一的合成法へと応用できる革新的研究であり、有機合成化学を発展させます。また、本戦略の応用により、様々なステロイド化合物を創出することで、創薬研究の発展へと繋がります。

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論文情報

Yuuki Watanabe, Hisahiro Morozumi, Hiroyuki Mutoh, Koichi Hagiwara, and Masayuki Inoue*, ""Total Synthesis of (-)-Batrachotoxin Enabled by a Pd/Ag-Promoted Suzuki-Miyaura Coupling Reaction"," Angewandte Chemie International Edition: 2023年8月25日, doi:10.1002/anie.202309688.
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