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抗生物質の生物活性に重要な分子骨格を構築する新奇縮合酵素の構造機能を解明研究成果

掲載日:2023年6月13日

 東京大学大学院薬学系研究科の阿部 郁朗 教授と森 貴裕 准教授、チェコ科学アカデミー微生物研究所のジリ ヤナタ教授らによる研究グループは、抗生物質として利用されているリンコサミド化合物群の生合成において、生物活性の発現に必須なアミド結合の形成を触媒する新奇縮合酵素CcbDについて、酵素反応の立体構造基盤を解明しました。酵素のX 線結晶構造解析から本酵素群が、これまでに例のない、新規な全体構造を有していることを明らかとし、さらに、本来の基質の類縁体を用いた酵素の機能解析や、立体構造をもとにした部位特異的変異導入により、本酵素は過去に解析されているアミド結合形成酵素とは異なる新たな反応機構でアミド結合の形成を触媒することを解明しました。 自然界には依然として多くの反応機構がわかっていない未開拓な生合成酵素が眠っています。その触媒原理を解明し、さらに酵素の機能を改変して有用物質生産へ応用することで、新たな創薬シード化合物の創出など、薬科学の発展への貢献が期待されます。

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論文情報

Takahiro Mori, Stanislav Kadlcik, Shuang Lyu, Zdenek Kamenik, Kosuke Sakurada, Aninda Mazumdar, Huibin Wang, Jiri Janata, and Ikuro Abe, ""Molecular basis for carrier protein-dependent amide bond formation in the biosynthesis of lincosamide antibiotics "," Nature Catalysis: 2023年6月13日, doi:10.1038/s41929-023-00971-y.
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