硫黄含有天然物に硫黄原子が取り込まれる仕組み 鉄硫黄クラスターを使って有機硫黄化合物を合成する酵素の発見 研究成果

東京大学大学院薬学系研究科の森貴裕 准教授、阿部郁朗 教授、九州大学高等研究院の牛丸理一郎 准教授、テキサス大学オースティン校化学科のHung-wen Liu 教授、カーネギーメロン大学化学科のYisong Guo 教授らの共同研究チームは、強力な抗生物質活性を示す硫黄含有天然物アルボマイシンの生合成過程において硫黄挿入反応を触媒する新規酵素を同定し、鉄硫黄クラスターを硫黄供与源とする新たな化学反応機構を解明しました。
本研究ではアルボマイシン生産菌の遺伝学的解析や生合成酵素の生化学的解析に加え、硫黄挿入酵素に結合する鉄硫黄クラスターの性質をX線結晶構造解析とスペクトル解析を用いて総合的に精査し、生物活性天然物の生合成経路において新たな硫黄導入分子機構を解明しました。今回の成果により、新規硫黄含有天然物の発見や硫黄挿入生体触媒の開発といった創薬分野への応用が期待されます。
本研究ではアルボマイシン生産菌の遺伝学的解析や生合成酵素の生化学的解析に加え、硫黄挿入酵素に結合する鉄硫黄クラスターの性質をX線結晶構造解析とスペクトル解析を用いて総合的に精査し、生物活性天然物の生合成経路において新たな硫黄導入分子機構を解明しました。今回の成果により、新規硫黄含有天然物の発見や硫黄挿入生体触媒の開発といった創薬分野への応用が期待されます。
論文情報
Richiro Ushimaru, Ziyang Zheng, Jin Xiong, Takahiro Mori, Ikuro Abe, Yisong Guo, Hung-wen Liu, "Radical S-adenosyl-L-methionine FeS-cluster implicated as the sulfur donor during albomycin biosynthesis": 2025年7月15日, doi:10.1038/s41929-025-01367-w.
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