アミノ酸の向きが抗生物質の効き方を変える? 副作用の少ない抗菌ペプチドを生み出す新たなアプローチ 研究成果
東京大学大学院薬学系研究科の右田貴大 大学院生、伊藤寛晃 准教授、井上将行 教授の研究グループは、山形大学の浜本洋 教授との共同研究により、アミノ酸であるトリプトファンの構造を巧みに変化させ、抗菌ペプチドが示す副作用を低減することに成功しました。本研究グループは、天然由来の抗菌ペプチドであるグラミシジンAがもつトリプトファンを、天然には存在しないトリプトファン位置異性体で置換することで、分子の疎水性を精密に制御できることを見出しました。さらに、これらの分子が示す哺乳細胞への毒性は疎水性に大きな影響を受ける一方で、抗菌活性は影響を受けないことも見出しました。
この知見に基づき、トリプトファンの位置異性体の導入を含む3箇所のアミノ酸の改変によって、グラミシジンAの強力な抗菌活性を保ったまま哺乳細胞毒性を20分の1に低減することに成功しました。本研究成果は、抗菌ペプチドの安全性を高める新たなアプローチを示すことに留まらず、トリプトファンを含むペプチドやタンパク質の性質改変に広く応用できる方法論として期待できます。
この知見に基づき、トリプトファンの位置異性体の導入を含む3箇所のアミノ酸の改変によって、グラミシジンAの強力な抗菌活性を保ったまま哺乳細胞毒性を20分の1に低減することに成功しました。本研究成果は、抗菌ペプチドの安全性を高める新たなアプローチを示すことに留まらず、トリプトファンを含むペプチドやタンパク質の性質改変に広く応用できる方法論として期待できます。
論文情報
Takahiro Migita, Hiroaki Itoh, Hiroshi Hamamoto, Masayuki Inoue*, "Impact of Tryptophan Positional Isomerism on Physicochemical and Biological Properties: A Case Study Using Gramicidin A Analogs," JACS Au: 2025年10月31日, doi:10.1021/jacsau.5c00969.
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