深海由来の天然物でがん細胞を制御 ヤクアミドBの2つ目の標的タンパク質CD9の発見 研究成果
東京大学 大学院薬学系研究科の付俊豪 大学院生(研究当時)、神谷光一 大学院生(研究当時)、喜多村佳委 大学院生(研究当時)、伊藤寛晃 准教授、井上将行 教授、東京農工大学 大学院工学研究院の櫻井香里 教授の研究グループは、東京大学 大学院理学系研究科の川原凌 大学院生(研究当時)、濡木理 教授、慶應義塾大学 医学部の志甫谷渉 准教授、東京科学大学 リサーチインフラ・マネジメント機構 バイオサイエンスセンターの細谷祥一 博士、理化学研究所 生命機能科学研究センターの中川れい子 博士、公益財団法人がん研究会 がん化学療法センターの馬島哲夫 博士との共同研究により、抗がん活性天然物ヤクアミドBの新規作用メカニズムを解明しました。光親和性標識(PAL)を応用することで、ヤクアミドBが、これまでに当研究グループが明らかにしたATP合成酵素に対する作用に加え、細胞膜に存在するタンパク質CD9と一過性の結合を生じてその分解を誘導し、がん細胞の増殖とがん細胞の移動(遊走)を抑制する二重の作用を示す可能性を世界で初めて示しました。
今回の成果は、天然物の一過性の相互作用を解析する強力な手法としてPAL戦略が有用であることを示すとともに、天然物の性質を活用した複数の標的に関する細胞機能を同時に制御できる新規抗がん薬の開発や、新規タンパク質分解誘導戦略の創出への新たな可能性を拓きます。
今回の成果は、天然物の一過性の相互作用を解析する強力な手法としてPAL戦略が有用であることを示すとともに、天然物の性質を活用した複数の標的に関する細胞機能を同時に制御できる新規抗がん薬の開発や、新規タンパク質分解誘導戦略の創出への新たな可能性を拓きます。
論文情報
Junhao Fu, Koichi Kamiya, Kai Kitamura, Ryo Kawahara, Wataru Shihoya, Osamu Nureki, Shoichi Hosoya, Reiko Nakagawa, Tetsuo Mashima, Hiroaki Itoh*, Masayuki Inoue*, Kaori Sakurai*, "Photoaffinity Labeling Strategy Reveals Tetraspanin CD9 as a Transient Target of Anticancer Yaku'amide B," Journal of the American Chemical Society: 2026年1月9日, doi:10.1021/jacs.5c13808.
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