マンガン酸化を操る天然物 深海細菌が作るロイヒケリンCと金属との関わり 研究成果
東京大学大学院薬学系研究科の澤田瑞希 大学院生、柿澤大夢 大学院生、竹内碧 大学院生(研究当時)、伊藤寛晃 准教授、井上将行 教授の研究グループは、ハワイ島南東沖にあるロイヒ海底火山由来の細菌Halomonas LOB-5が産生する天然物ロイヒケリンCの全合成に成功し、本分子の鉄(Fe)やマンガン(Mn)といった金属イオンを捕捉する特異な働きを明らかにしました。
本研究チームは、まず固相合成法により天然物ロイヒケリンCを効率的に作り上げる方法を初めて確立しました。さらに、ロイヒケリンCの構造を部分的に改変した人工類縁体の合成とこれらを使った解析によって、天然物ロイヒケリンCがFe(III)に対して強く結合できる上、自然界ではほとんど進行しないMn(II)をMn(III)へと酸化する過程を促進するとともに、非常に不安定なMn(III)を安定化できることを見出しました。これは、深海など極限環境に生息する微生物がどのように金属と関わるかをより深く理解する上で重要な成果です。また、全合成を利用した分子編集が天然物のもつ未知の役割を明らかにするために有効であることを実証しました。
本研究チームは、まず固相合成法により天然物ロイヒケリンCを効率的に作り上げる方法を初めて確立しました。さらに、ロイヒケリンCの構造を部分的に改変した人工類縁体の合成とこれらを使った解析によって、天然物ロイヒケリンCがFe(III)に対して強く結合できる上、自然界ではほとんど進行しないMn(II)をMn(III)へと酸化する過程を促進するとともに、非常に不安定なMn(III)を安定化できることを見出しました。これは、深海など極限環境に生息する微生物がどのように金属と関わるかをより深く理解する上で重要な成果です。また、全合成を利用した分子編集が天然物のもつ未知の役割を明らかにするために有効であることを実証しました。
論文情報
Mizuki Sawada‡, Hiromu Kakizawa‡, Aoi Takeuchi, Hiroaki Itoh, Masayuki Inoue* (‡共同筆頭著者) , "Total Synthesis and Functional Analysis of Loihichelin C: Structural Basis for Mn(III) Stabilization and Mn(II) Oxidation," JACS Au: 2026年2月27日, doi:10.1021/jacsau.5c01730.
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