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異常な膜タンパク質の新たな分解制御因子を発見研究成果

掲載日:2023年11月6日

 タンパク質の合成工場である小胞体には、不良品として生じた異常なタンパク質が過度に蓄積するのを防ぐ仕組みが備わっています。その一つが異常なタンパク質を小胞体もろともリソソーム分解するER-phagyで、このとき小胞体とリソソーム分解系とを結びつけるER-phagyレセプターというカーゴアダプター群が重要な役割を果たします。
 一方で、東京大学大学院薬学系研究科の林裕輝 特任研究員、一條秀憲 教授らによる研究グループは今回、小胞体成分のうち異常な膜タンパク質を選択的に認識し、リソソーム分解へと導く新たなタイプのカーゴアダプターとしてTOLLIPを発見しました。また、詳細なメカニズム解析を行うことで、TOLLIPは異常な膜タンパク質をフォールディング異常やユビキチン鎖を手がかりに認識したのち、リソソームへ向かう輸送小胞へと移行させることを明らかにしました。異常な膜タンパク質は神経変性疾患をはじめとする様々な疾患の原因となるため、本研究成果は新たな疾患治療戦略の創出に発展することが期待されます。

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論文情報

Yuki Hayashi, Sho Takatori, Waleed Y. Warsame, Taisuke Tomita, Takao Fujisawa, Hidenori Ichijo, ""TOLLIP acts as a cargo adaptor to promote lysosomal degradation of aberrant ER membrane proteins"," The EMBO Journal: 2023年11月6日, doi:10.15252/embj.2023114272.
論文へのリンク (掲載誌別ウィンドウで開く)

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