Go Global Gateway 2020年度コラム4
MOTTAINAI (What a waste!)
2020/05/25     

大学院総合文化研究科・教養学部
附属国際交流センター グローバリゼーションオフィス 特任助教     
下山田翔     

  グリーンベルト運動(植林活動)を通じた環境保全への貢献が評価され、ケニア人のワンガリ・マータイさんがアフリカ人女性として初めてノーベル平和賞を受賞したのは2004年のことでした。マータイさんは2005年に来日し、「もったいない 」という言葉を知るに至ります。そして、同じ年に国連本部で開催された国連婦人地位向上委員会(現 国連女性の地位委員会)にて、環境保全活動のスローガンとしてMOTTAINAIを提唱しました。MOTTAINAIは日本国内外において、地球のリソースの有効活用を啓発しています。
  東京大学のリソースはどうでしょう。リソースといっても、駒場キャンパスのイチョウ並木や、本郷キャンパスにある三四郎池のことではありません。皆さんの学習をサポートするための、モノやお金、そして制度のことです。今日は東京大学の「国際総合力認定制度」が皆さんに提供するリソースのなかから、TOEFL (Test of English as a foreign language) とIELTS (International English language testing system) の受験料負担を紹介します。
  TOEFLとIELTSは、ともに英語の能力を測定するための国際的な試験です。受験料は、TOEFLもIELTSも約25,000円で、東京大学ではこれらの受験料を全額負担します(学士課程在学中に2回まで)。TOEFLのスコアは世界の11,000以上の大学で、IELTSのスコアは世界の10,000以上の教育機関で受け入れられており、留学する際に英語力の証明として提出することが可能です。もちろん、就職活動する際に、履歴書やエントリーシートにスコアを記載することもできます。
  私がTOEFLとIELTS の受験をすすめる理由をひとつだけ紹介します。TOEFLとIELTSは、受験者の英語力に合わせて異なるテスト内容を提供していません。テスト結果は合否で判定されるのではなく、スコア(TOEFLは0-120; IELTSは0-9)で提示されます。同じレベルのテストを複数回受験することによって、皆さんの英語力の向上(の目安)が数値で示されます。自費で何度も受験することは大変でも、大学の制度を利用すれば負担が軽減されます。
  新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、TOEFLとIELTSは試験センターでの受験ができない状況が続いています。しかし、TOEFLは自宅での受験を可能にする「TOEFL iBT ® Special Home Edition」の実施を始めました。東京大学では6月初旬に申し込みの受付を開始する予定ですので、国際総合力認定制度のウェブサイトをチェックしてください。せっかくある大学のリソース、在学中に有効活用しなきゃMOTTAINAI。