Go Global Gateway 2020年度コラム5
他者と協働し、リーダーシップをとる
2020/06/03     

大学院総合文化研究科・教養学部
附属国際交流センター グローバリゼーションオフィス 特任助教     
下山田翔     

  今、世界中のリーダーたちの資質が問われています。なぜなら、外出制限とその解除や、経済活動の自粛と再開など、重要な意思決定を迫られているからです。ここで皆さんに質問です。良いリーダーの資質とはなんでしょうか。新型コロナウィルスへの対応で注目を集めたリーダーたちを参考にしながら、一緒に考えてみましょう。
  ニュージーランドの首相を務めるジャシンダ・アーダーン氏は、ニュージーランド 政治史上最年少の37歳で首相に就任したことや、首相就任後に女児を出産し、6週間の育児休暇を取得したことで知られています。ニュージランドで新型コロナウィルスへの感染が拡大し始めた4月初旬に、アーダーン氏は自身の給与を20%減俸することで、感染者に寄り添う気持ちを示しました。
  アイルランドの首相を務めるレオ・バラッカー氏は、かつて医師として7年間勤務した経験があります。バラッカー氏は2013年に政治家になりましたが、今年の3月に医師として再登録し、週1回電話での診察を担当しています。聖パトリックの祝日(3月17日)に行った演説では、自身のパートナー、姉、そしてその夫らも医療機関で働いていることに触れ、恐怖のなかで働き続ける医療従事者に対して敬意を示しました。
  新しい生活様式の普及のために、自らデモンストレーションするリーダーもいます。オランダの首相であるマルク・ルッテ氏は、握手のかわりに肘を合わせて挨拶し、話題を呼びました。また、身体接触を減らすために、両手を合わせた「ナマステ」のポーズで挨拶するリーダーや著名人の姿も見受けられました。
  現在のような困難な状況を乗り切るには、リーダーの呼びかけのもとに一致団結することが重要とされています。もしあなたが、ひとつの国や国際機関、または企業を率いるリーダーだったら、どのようにあなたの国民や、あなたの元で働く人々の協力を得ますか。効果的な手法は文化によって異なるはずです。新型コロナウィルスに対するリーダーの対応の違いが浮き彫りになる今だからこそ、リーダーシップについて考えてみてください。