
書籍名
大日本維新史料 類纂之部 松平昭休往復書翰留 一
判型など
382ページ、A5判
言語
日本語
発行年月日
2024年5月2日
ISBN コード
978-4-13-090911-2
出版社
東京大学出版会 (発売)
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幕末維新史の史料を刊行する『大日本維新史料』というシリーズは、1911 (明治44) 年に創設された文部省維新史料編纂会が編纂・出版を開始した史料集です。この『大日本維新史料』の編纂・出版事業は、1949 (昭和24) 年に文部省から東京大学に移管され、史料編纂所がこれを継承しています。
維新史料編纂会によって編纂された『大日本維新史料』は、年月日順の「編年之部」でしたが、これは途中で刊行が停止されました。そこで、史料編纂所では、大名家など家ごとの文書や重要事件に関する史料を収録する「類纂之部」の編纂・出版を新たに開始しました。最初の書目は、幕末の大老井伊直弼関係の史料を収録した『井伊家史料』でしたが、2019年に全30巻で完結しましたので、その後継書目として編纂・出版することになったのが『松平昭休往復書翰留』です。これは、史料編纂所所蔵「松平昭休往復書翰留」全14冊と、その関連史料を収録する史料集です。
松平昭休 (九郎麻呂) は、水戸藩主徳川斉昭の九男で、1848 (嘉永1) 年、忍藩主松平忠国の養子となり名を忠矩と改めますが、安政大獄下の1859 (安政6) 年に廃嫡・離縁され、その後は江戸の水戸藩邸に居住しました。1863 (文久3) 年、昭休は、岡山藩主池田慶政の養子となり、同藩主池田茂政となりました。
史料編纂所所蔵「松平昭休往復書翰留」は、昭休が忍藩松平家の世子であった1858 (安政5) 年12月から、池田慶政の養子となる前月の1863年1月までの間に発受した書状などを書き留めたものですが、今回刊行した『松平昭休往復書翰留』第1巻には、1861年12月までの文書が収められ、特筆すべき出来事としては、徳川斉昭の一周忌法会や斉昭八男の松平直侯 (川越藩主) の死去などがありました。
収録された往復書状の特徴は、斉昭側室の貞子を生母とする同腹の兄弟姉妹との往復書状が多く書き留められていることです。生年順に、六女の明子 (盛岡藩主南部利剛正室)、五男の池田慶徳 (鳥取藩主)、九男の昭休、九女の孝子 (仙台藩主伊達慶邦継室) の兄弟姉妹で、この中では、慶徳との往復書状がもっとも多くなっています。
大名家の人々が記した書状のうち、一般的に知られているのは、藩の公的なルートを通じて取り交わされたものがほとんどで、他家の養子となったり、妻となったりした兄弟姉妹の間で私的にやり取りしたものは非常に珍しいといえます。このため、『松平昭休往復書翰留』は、幕末の動乱の中で、大名家の家族たちが裏面で行なっていた私的な交流の実態を知ることができるたいへん稀有な史料となっています。また、大名の妻や奥女中といった女性たちに関しても多くの貴重な情報を含んでいることから、近年研究が進展して関心が高まっている近世大名家の奥向研究にも寄与することが期待されます。
(紹介文執筆者: 史料編纂所 教授 箱石 大 / 2025)
本の目次
第二冊 文久元年(正月・2月・6月)
第三冊 文久元年(5月~7月)
第四冊 文久元年(7月・8月)
第五冊 文久元年(8月・9月)
第六冊 文久元年(10月~12月)

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