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リチウムイオンを閉じ込めたフラーレンの化学修飾に初めて成功 有機太陽電池などに応用へ

掲載日:2012年7月23日

リチウムイオン内包フラーレン誘導体のX線結晶構造図 © Yutaka Matsuo

サッカーボールの形をした籠状分子であるフラーレン (C60) は,次世代の新型太陽電池一つである有機薄膜太陽電池の開発に欠かせない材料として期待されている。東京大学大学院理学系研究科 光電変換化学講座(社会連携講座)の松尾豊特任教授と岡田洋史特任研究員らは,最先端の化学合成技術により,フラーレンの籠の中にリチウムイオンを閉じ込めた「リチウムイオン内包フラーレン」に有機分子を取り付けること(化学修飾)に初めて成功し,画期的な有機電子材料である「リチウムイオン内包PCBM」(PCBM =フェニルC61酪酸メチルエステル;有機薄膜太陽電池に用いられるフラーレン誘導体で標準材料)を開発した。優れた電子捕集能をもつこの新規材料は,新しい太陽電池である有機薄膜太陽電池の高効率化研究に役立てられると期待される。

プレスリリース

論文情報

Yutaka Matsuo, Hiroshi Okada, Masashi Maruyama, Hiroyasu Sato, Hiromi Tobita, Yoshihiro Ono, Kenji Omote, Kazuhiko Kawachi, Yasuhiko Kasama,
“Covalently Chemical Modification of Lithium Ion-Encapsulated Fullerene: Synthesis and Characterization of [Li+@PCBM]PF6?” ,
Organic Letters, Publication Date (Web): 2012/7/6, doi: 10.1021/ol301671n.
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大学院理学系研究科

化学専攻

光電変換化学講座

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