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生活の現場からよいものを生み出す「鎌倉リビング・ラボ活動」 | 広報誌「淡青」35号より

掲載日:2017年11月21日

実施日: 2017年09月08日

淡青色のローカルプロジェクト2@神奈川県 
 
生活の現場からよいものを生み出す
「鎌倉リビング・ラボ」活動
 

秋山弘子/岡山出身
Hiroko Akiyama
高齢社会総合研究機構
特任教授


 

 

2017年1月の記者発表にて。中央は鎌倉市の松尾市長。右端はラボの運営を担うNPO法人タウンサポート鎌倉今泉台の丸尾理事長。
  
ラボはlaboratoryで研究所の意味だとして、リビング・ラボとはどんなものでしょうか。代表を務める秋山先生に聞いてみましょう。

「通常、研究室は大学などの研究機関にありますが、これは生活の現場にあるラボ。暮らしを豊かにするサービスや商品を生活者自身が生み出し、よりよくしていく地域活動です」

聞けば、世界ではEU圏を中心に約400のラボが活動中で、日本でも複数の地域で活動が始まっているとか。中でも、産官学民に加えて欧州のネットワークとも連携が強い鎌倉リビング・ラボは、本格派として注目を集めています。しかし、以前からあるモニター制度や商品テストとは何が違うのでしょうか。

「住民が感じる不便さや需要をゼロから掘り起こすことです。そこからプロトタイプをつくり、生活の場で実際に使うと、使いにくいとか、見た目が悪いといった生の声が出ます。それを活かして試作を重ね、さらに検証する。企画と試作と検証と評価の作業を繰り返しながら新しい価値を世に出していきます」
 

2016年11月にはベルギーのリビング・ラボに協力し、医薬品のパッケージデザインについて実証テストを行いました。

鎌倉は高齢化率の高さで有名な地。ラボ選定の裏には、世界の高齢者の6割がいるといわれるアジアの市場を狙う企業にとって格好のモデルになるという判断と、そしてもう一つ理由がありました。

「私は鎌倉に暮らしてみて、今現在のことだけでなく10年先のことまで考えられる人、そしてはっきりものを言う人が多いと感じたんです。リビング・ラボのテストベッドの重要な条件を備えています」

拠り所はあくまで生活者としての実感。リビング・ラボの精神を地でいく秋山先生です。
 
※本記事は広報誌「淡青」35号の記事から抜粋して掲載しています。PDF版は淡青ページをご覧ください。

 


 
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