ケネディ駐日大使とゴッテモラー米国務次官が東大を訪問しました
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実施日: 2015年08月07日 |
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2015年8月7日、キャロライン・ケネディ駐日米国大使およびローズ・ゴッテモラー米国務次官が東京大学の本郷地区弥生キャンパスを訪問し、STEM教育*と女性の教育をテーマにした討論会に参加しました。東京大学からは生産技術研究所の大島まり教授(情報学環兼任)および13名の学生が討論会に参加しました。 ![]() STEM教育や女子学生の展望について熱心に語るゴッテモラー米国務次官
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続いてゴッテモラー国務次官が登壇し、STEM分野は日米関係にとって重要なだけでなく、世界の経済の安定にとっても重要であると語り始めました。そして自身の1960年代のアメリカの高校時代を振り返り、その当時の女子学生は科学の勉強ではなく言語や文学の勉強をするように「半ば強制される」のが一般的だったけれど、現在ではこうした文系への「半強制」はもはや存在していないと述べました。さらに、日本とアメリカでは教育事情が異なることを前提にしながらも、STEM分野で勉強したり働いたりする女性には世界各国で共通点があると指摘しました。女性の教育という課題について世界各国で話をする機会が多い国務次官は、STEM分野の女性は結婚や出産を機に仕事を続けるのが難しくなることに気が付いたそうです。ゴッテモラー国務次官は女性がSTEM分野で働くことの困難を認めつつ(例えば、日本ではSTEM分野で働く女性は、就労女性のわずか14%のみ)、世界経済のさらなる安定発展のためには、すべての人がSTEM分野と深く関わっていかなくてはならないと訴えました。国務次官は先ほどケネディ駐日大使が科学技術はあらゆる分野で重要だと述べたことに賛同して、自身の職業を例に挙げてその重要性を語りました。国務次官は核廃絶に取り組んでいますが、そのためには核弾頭を追跡し監視するための精密な能力が必要で、ここでSTEM分野が重要になってくるそうです。彼女が例として挙げたのが、センサー技術のユビキタス活用でした。タブレットやスマートフォンなどの電子デバイスのセンサー技術(例えば地震波の感知)をネットワークでつないでユビキタス化することは、地震活動を記録するのに貢献するだけでなく、(揺れを感知することで)不正な核実験を察知できる可能性があり、それが核兵器の追跡につながるかもしれないと述べていました。
続いてケネディ大使、ゴッテモラー国務次官、大島教授が東大の学生たちと討論や質疑応答を行いました。一人の女子学生が、自分は専攻クラスの中で唯一の女子であること、クラスの男子生徒から対等な立場で接してもらっていることを話しました。ゴッテモラー国務次官はこの話を受けて、自らの体験談を披露しました。国務次官が大陸間弾頭ミサイルの交渉でロシアへ行った時、交渉相手は全員男性の軍幹部だったそうです。国務次官は当時を思い出しながら、次のように語っていました。「男性幹部たちは最初、こんな若い女が大陸間弾頭ミサイルのことなどわかっているはずがないという態度でした。でも、私が大陸間弾頭ミサイルについて詳しく知っているとわかると、私の女性という見かけは問題にならなくなりました。私は男性とか女性とか関係なく、彼らの一員として迎えられたのです。」そして、大島教授は、自分も学生時代の10年間周囲は男子ばかりで自分が唯一の女子学生だったけれど、今は社会が変わりつつあり働く女性を支援する政策も進化していると日本の現状を説明しました。