令和3年度教職課程・学芸員等実習報告会を開催
掲載日:2022年1月14日
11月29日(月)16時30分より、教育運営委員会教職課程・学芸員等部会主催、教育学研究科・教育学部を取りまとめ部局として、教職課程・学芸員等実習報告会がオンラインで開催されました。
今年度教育実習を行った3名、介護等体験を行った2名、博物館実習を行った2名の合計7名の学部学生及び大学院学生による報告が行われ、それぞれの実習において学んだこと、感じたことについて話がありました。
7名の報告学生のうち介護等体験生1名および博物館実習生1名はオンライン実習、教育実習生3名、介護等体験生1名、博物館実習生1名は実地における対面実習でした。オンライン実習においては実習受入側の様々な工夫により対面実施の場合と遜色ない学びが得られた一方で、関わる相手一人ひとりの表情を画面越しでは読み取りづらかった、また実際に標本に触れたり来場者に対応したりという機会を十分に得られなかったなど、オンラインならではの課題についても報告がありました。また対面実施においては実地で人、ものに直接触れることで学びが得られた一方で、マスク越しで生徒の反応がわかりづらく授業の進め方に苦労したことや、生徒との交流機会が制限されていたことで関係構築が難しかったことなど、コロナ禍特有の状況における苦心談が語られました。
それぞれの実習における学びについて、教育実習を行った学生からは知識を伝達するのではなく生徒の主体的な学びを支える「学びの専門家」としての教師像について学んだことや、実習生として教師の立場を経験したことで教師の生徒に対する危機管理面・学習面での責任を実感したこと、生徒・教師間や生徒同士の交流の機会が削減されているコロナ禍特有の学校生活の現状において、授業内の問いかけや日直日誌の活用により生徒との交流を図った経験などについて報告がありました。
介護等体験を行った学生からは、特別支援学校の生徒・教員間において各生徒の特性に応じて多様な非言語的コミュニケーションが展開されている様子を目にし、言語的コミュニケーションが一律化されている社会の現状を省察したことや、社会福祉施設における体験でオンラインによる画面越しの交流であっても相手に合わせたコミュニケーションが重要であることに気づき、その気づきを活かして教員として生徒皆が楽しめる雰囲気づくりをしていくことへの展望などが語られました。
また博物館実習を行った学生からはオンライン実習の中で一般向けに作成・公開されているオンライン学習コンテンツや、実況配信によるオンラインツアーなどの新しい試みの検討作業を行い、オンラインコンテンツの意義・ノウハウを学んだことや、実地における体験で来館者と実際に向き合って説明を行い、どのようにすれば来場者が興味を持ってくれるかなどを試行錯誤する中でサイエンスコミュニケーションの楽しさを再確認したことなどについて報告がありました。
報告の後の質疑応答においては教育実習生に対して、実際に現場で生徒の声を聞いた上でポストコロナにおける教育のあり方をどのように考えるか、という質問がありました。実習生からはマスク越しでは生徒の反応を捉えにくいやりづらさがあり、表情を見ながら対面で行うことの重要性はポストコロナでも変わらないのではないかという意見や、生徒同士の直接の対話が制限される中でも、タブレットを活用して生徒同士による意見交換を活発化させるなどICT活用の可能性があるのではないかという意見が出されました。今後の教育のあり方を問う大きなテーマであり、即座の返答が困難な質問ではありましたが、各実習生が教育実習の現場で実際に経験したことと結びつけて丁寧に言葉を選びながら意欲的に回答する姿が印象的でした。
続いて、毎年多くの本学実習生を受け入れていただいている東京大学教育学部附属中等教育学校の淺川俊彦副校長より教育実習のご感想と報告に対するご講評をいただき、生徒と関係を築き上げる中で授業内だけでなく授業外のやり取りが重要であること、また先の質疑応答の内容に関連して、ポストコロナにおいても対面のノンバーバルコミュニケーションが教育現場において重要となることが説かれました。
報告会の最後には、教育学研究科・教育学部の浅井幸子教授および新藤浩伸准教授より、それぞれ教育実習・介護等体験と博物館実習について総括の言葉があり、新型コロナウイルスの影響により実習の受け入れに困難が生じ、また業務が益々多忙化している中、本学の実習生を受け入れていただいた関係者に対する謝意が述べられました。その上で大学を離れて現場において新しい人・ものを見て触れ合い考えた経験や、コロナ禍における実習で人とのコミュニケーションや関係作りに苦心した経験は貴重な経験であり、今後の研究・仕事に活かしてほしいという期待が述べられ、報告会は閉会となりました。
新型コロナウイルス感染症の収束が未だ見通せない状況にあって対面実習・オンライン実習が併存する中、ポストコロナを見据えた今後のより良い実習のあり方、ひいてはより良い教育のあり方について気づきを与えるような充実した報告会となりました。
今年度教育実習を行った3名、介護等体験を行った2名、博物館実習を行った2名の合計7名の学部学生及び大学院学生による報告が行われ、それぞれの実習において学んだこと、感じたことについて話がありました。
7名の報告学生のうち介護等体験生1名および博物館実習生1名はオンライン実習、教育実習生3名、介護等体験生1名、博物館実習生1名は実地における対面実習でした。オンライン実習においては実習受入側の様々な工夫により対面実施の場合と遜色ない学びが得られた一方で、関わる相手一人ひとりの表情を画面越しでは読み取りづらかった、また実際に標本に触れたり来場者に対応したりという機会を十分に得られなかったなど、オンラインならではの課題についても報告がありました。また対面実施においては実地で人、ものに直接触れることで学びが得られた一方で、マスク越しで生徒の反応がわかりづらく授業の進め方に苦労したことや、生徒との交流機会が制限されていたことで関係構築が難しかったことなど、コロナ禍特有の状況における苦心談が語られました。
それぞれの実習における学びについて、教育実習を行った学生からは知識を伝達するのではなく生徒の主体的な学びを支える「学びの専門家」としての教師像について学んだことや、実習生として教師の立場を経験したことで教師の生徒に対する危機管理面・学習面での責任を実感したこと、生徒・教師間や生徒同士の交流の機会が削減されているコロナ禍特有の学校生活の現状において、授業内の問いかけや日直日誌の活用により生徒との交流を図った経験などについて報告がありました。
介護等体験を行った学生からは、特別支援学校の生徒・教員間において各生徒の特性に応じて多様な非言語的コミュニケーションが展開されている様子を目にし、言語的コミュニケーションが一律化されている社会の現状を省察したことや、社会福祉施設における体験でオンラインによる画面越しの交流であっても相手に合わせたコミュニケーションが重要であることに気づき、その気づきを活かして教員として生徒皆が楽しめる雰囲気づくりをしていくことへの展望などが語られました。
また博物館実習を行った学生からはオンライン実習の中で一般向けに作成・公開されているオンライン学習コンテンツや、実況配信によるオンラインツアーなどの新しい試みの検討作業を行い、オンラインコンテンツの意義・ノウハウを学んだことや、実地における体験で来館者と実際に向き合って説明を行い、どのようにすれば来場者が興味を持ってくれるかなどを試行錯誤する中でサイエンスコミュニケーションの楽しさを再確認したことなどについて報告がありました。
報告の後の質疑応答においては教育実習生に対して、実際に現場で生徒の声を聞いた上でポストコロナにおける教育のあり方をどのように考えるか、という質問がありました。実習生からはマスク越しでは生徒の反応を捉えにくいやりづらさがあり、表情を見ながら対面で行うことの重要性はポストコロナでも変わらないのではないかという意見や、生徒同士の直接の対話が制限される中でも、タブレットを活用して生徒同士による意見交換を活発化させるなどICT活用の可能性があるのではないかという意見が出されました。今後の教育のあり方を問う大きなテーマであり、即座の返答が困難な質問ではありましたが、各実習生が教育実習の現場で実際に経験したことと結びつけて丁寧に言葉を選びながら意欲的に回答する姿が印象的でした。
続いて、毎年多くの本学実習生を受け入れていただいている東京大学教育学部附属中等教育学校の淺川俊彦副校長より教育実習のご感想と報告に対するご講評をいただき、生徒と関係を築き上げる中で授業内だけでなく授業外のやり取りが重要であること、また先の質疑応答の内容に関連して、ポストコロナにおいても対面のノンバーバルコミュニケーションが教育現場において重要となることが説かれました。
報告会の最後には、教育学研究科・教育学部の浅井幸子教授および新藤浩伸准教授より、それぞれ教育実習・介護等体験と博物館実習について総括の言葉があり、新型コロナウイルスの影響により実習の受け入れに困難が生じ、また業務が益々多忙化している中、本学の実習生を受け入れていただいた関係者に対する謝意が述べられました。その上で大学を離れて現場において新しい人・ものを見て触れ合い考えた経験や、コロナ禍における実習で人とのコミュニケーションや関係作りに苦心した経験は貴重な経験であり、今後の研究・仕事に活かしてほしいという期待が述べられ、報告会は閉会となりました。
新型コロナウイルス感染症の収束が未だ見通せない状況にあって対面実習・オンライン実習が併存する中、ポストコロナを見据えた今後のより良い実習のあり方、ひいてはより良い教育のあり方について気づきを与えるような充実した報告会となりました。