ARTICLES

印刷

令和4年度教職課程・学芸員等実習報告会を開催

掲載日:2023年1月6日

 12月1日(木)15時30分より、教育運営委員会教職課程・学芸員等部会主催、教育学研究科・教育学部を取りまとめ部局として、教職課程・学芸員等実習報告会がオンラインで開催されました。

 今年度教育実習を行った3名、介護等体験を行った2名、博物館実習を行った2名の合計7名の学部学生及び大学院学生による報告が行われ、それぞれの実習において学んだこと、感じたことについて報告がありました。

 7名の報告学生のうち博物館実習生1名はオンラインと実地の体験を併用したハイブリッド型の実習、教育実習生3名、介護等体験生2名、博物館実習生1名は実地における対面実習でした。オンライン実習においては施設見学をライブ配信で行ったなど、オンラインならではの強みを生かした学習についても報告がありました。また対面実施においては感染対策で体験時間短縮などの制限もありましたが、実地で人、もの、仕事に直接触れることで現場の雰囲気を実感し、そこで働く方たちや施設を利用する方たちについて深い学びが得られたと報告がありました。
 
 それぞれの実習における学びについて、教育実習を行った学生からは発問を通して生徒が主体的に学べるような授業を一から作り上げる難しさや、生徒に教科の面白さを感じてもらえたときの喜びについて、また、生徒やアルバイトの講師とも違う教員としての立場を経験し、学校は協働の場であることや授業以外での教師の役割についても強く感じたという話がありました。
 介護等体験を行った学生からは、特別支援学校の児童生徒に対して言葉が伝わらないもどかしさに戸惑いつつも、児童生徒に視線を送り続け、心の聲に耳を傾けることで信頼関係を築けると感じたことや、社会福祉施設における体験で相手の個性に合わせた対応やコミュニケーションが重要であることに気づき、その気づきを活かして教員として生徒を個人として尊重し、目的を持って行動していくことへの展望などが語られました。
 また博物館実習を行った学生からは公立美術館がその地域にゆかりのある作品や文化を保護して地域社会に寄り添い貢献するという使命を意識したこと、研究内容を一般の方に伝えるプラットフォームとして博物館の「伝え方」に注目し、自分の研究発表にも生かしていきたいなど、現場で学芸員のさまざまな仕事に触れ学びが深まったことについて報告がありました。
 
 報告の後の質疑応答においては教育実習生に対して、教えている相手から「つまらない、わからない」という反応を感じた時にどのような工夫をしたのか、という質問があり、実習生からは実習を通して、わかる生徒にばかり答えさせるのではなく、わからない・できない生徒に焦点を当て、みんなで考えていくべきと学んだと回答がありました。教育者として大きなテーマであり、即座の返答が困難な質問ではありましたが、実習生は教育実習の現場で実際に経験したことと結びつけて意欲的に回答していました。

 続いて、毎年多くの本学実習生を受け入れていただいている東京大学教育学部附属中等教育学校の細矢和博副校長より教育実習のご感想と報告に対するご講評をいただき、教育現場では学習内容を教えるだけではなく、子どもたちがどうやって理解していくかを考え、クラス全体を巻き込んで「探究」をさせる必要があることが語られ、今後指導的な立場で活躍する時には教育実習の経験を生かしてほしいと呼びかけられました。

  報告会の最後には、教育学研究科・教育学部の浅井幸子教授および新藤浩伸准教授より、それぞれ教育実習・介護等体験と博物館実習について総括の言葉があり、新型コロナウイルスの影響により実習の受け入れに困難が生じ、また業務が益々多忙化している中、本学の実習生を受け入れていただいた関係者に対する謝意が述べられました。新型コロナウイルスが原因で実習を取りやめたケースでは代替措置としてレポートの提出を行いましたが、現場で実際に体験した実習生は教材学習では得られない経験や、レポート作成では代替することのできない貴重な学びがあったことが述べられ、報告会は閉会となりました。

 新型コロナウイルス感染症の収束が未だ見通せない状況にあって、実体験が重視される実習においては大変厳しい状況が続きますが、実習で得た気づきを改めて認識し、今後の実践に生かせるような充実した報告会となりました。
アクセス・キャンパスマップ
閉じる
柏キャンパス
閉じる
本郷キャンパス
閉じる
駒場キャンパス
閉じる