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学生チームの作品「浮雲」が学生サマーセミナー2021で最優秀賞を受賞

掲載日:2021年9月6日

新領域創成科学研究科 社会文化環境学専攻の佐藤淳研究室の学生チームの作品「浮雲」が、日本建築学会主催の学生サマーセミナー2021「集積あるいは変化するストラクチュラル・アート」において最優秀賞を受賞しました。
 
学生サマーセミナーは、空間・形態・構造が融合したストラクチュラル・アートを通じて、「ものづくり」の楽しさ・面白さを体感することを目的とし、毎年コンペ形式で開催されています(2020年度は中止)。
今年度は16回目の開催で、38のチームが参加。そのうち17チームが一次選考を通過しました。最終選考は例年、東京都港区の建築会館にてワークショップ形式で行われますが、今回は新型コロナウイルス感染防止のため、それぞれの所属機関において作品を制作し、オンラインで中継する形で行われました。審査員の投票により佐藤淳研究室の学生チームの作品が最高得点を獲得し、みごと最優秀賞を受賞しました。
 

最優秀作品「浮雲」

学生サマーセミナーに参加したのは、佐藤淳研究室の中村太一(チームリーダー)、木下睦貴、猿田佳奈子、周穎琦、森永魁、山﨑海斗の5名の修士課程の学生を中心としたチームです。
今回の作品「浮雲」は、団子状のユニットを使用して高さ7メートルに組みあげられた独創的な巨大オブジェクト。雲がふわふわと軽やかに浮かんでいるように見えることから「浮雲」と名付けました。

「浮雲」の全体像
 
本セミナーのテーマは「集積あるいは変化するストラクチュラル・アート」。チームリーダーの中村太一さんは、「本作品では軽くて柔らかなデザインで7メートルの高さを目指すことを意識し、そのための構造物を設計した」といいます。高さ7メートルは、制作場所の天井ギリギリの高さです。


お団子ユニット制作中


構造計算を繰り返し、全体のバランスを調整


土台部分の組み立て

 
上部の組み立てはリフトアップ方式で行った
 
 
最終選考のための制作期間は2週間程度とかなりタイトなスケジュールでした。
短い期間で7メートルもの高さのある構造物を制作するには、簡素な検証(単純化したモデルを考え、構造計算すること)で安全性を判断するエンジニアリングの省略の技が試されます。そうして、お団子ユニットがか細いカーボンロッドを拘束する構造デザインが生まれました。
また、会場が建築会館から各所属機関に変更になったり、当初予定していた材料が手に入らなかったりといった思わぬトラブルが発生しました。
しかし、チームリーダーの中村太一さんは、「急遽別の素材を調達したり、構造設計をやり直したりなど予定よりも多くの工程を踏むことになりましたが、メンバーのポテンシャルの高さと根気強さで乗り越えることができました」と語りました。
 

クリエイティブな発想を尊重する研究室

佐藤淳研究室では、年に数回このようなデザインビルド形式のワークショップに参加しており、皆のアイデアを融合してゆく中で基幹となるアイデアを出した人がリーダーになることが多いそうです。
学生サマーセミナーにはここ数年毎回参加していますが、最優秀賞を獲得したのは今回が初めてでした。
佐藤淳研究室は、毎年志願者の多い研究室です。佐藤淳准教授の、学生のやる気やクリエイティブな発想を尊重し導いていくスタイル、実績や指導力はもちろんですが、明るくオープンな人柄にも多くの学生たちが魅力を感じているようです。


制作チーム

画像提供:佐藤淳研究室
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