中村仁彦名誉教授が日本学士院賞を受賞

2025年3月12日、中村仁彦名誉教授 (大学院情報理工学系研究科)が日本学士院賞を授与されることが発表されました。
日本学士院における授賞制度は、明治43年に創設され、学術上特にすぐれた論文、著書その他の研究業績に対して授賞を行うものです。
〈研究題目〉
人型ロボットの運動の計算と制御に関する基礎研究
〈受賞理由〉
一つの物体はその3次元の位置と姿勢の6変数で表される自由度を持ちます。工場で部品をつかんで移動させる仕事で利用される基本的な工業用ロボットは必要不可欠なちょうど6個の自由度を持つように作られました。しかし、更に汎用的で器用な動きが求められるロボットはもっと多くの自由度(冗長自由度)を持っています。人型ロボットはその代表で、40を超える自由度を正確に目的に合わせて高速に連動させることが求められる大規模複雑システムです。中村仁彦氏は、そのような大きな冗長自由度を持つロボットの運動の制御とそれを可能にする高速計算の理論的な基盤を作り、人型ロボットの研究分野の深化に貢献しました。
さらに、これらの技術をもとに、より多くの自由度をもつ人間の全身運動の計算モデルを開発し、スポーツやリハビリ運動に際し全身の筋肉から発生する張力を推定することのできる画期的なバイオメカニクスの計算分野を開拓しました。