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共同利用・共同拠点における共同研究により古文書群が重要文化財に

掲載日:2019年4月24日

 平成31年(2019)3月、鰐淵寺文書(がくえんじもんじょ)及び和田家文書(みきたけもんじょ)を国の重要文化財(古文書)に指定することにつき、答申されました
 鰐淵寺文書は、島根県出雲市にある天台宗の古刹、鰐淵寺に伝わった文書群で、その総数は494点に及びます。鎌倉時代以降江戸時代に至る、宗教史のみならず、政治史的にも非常に興味深い文書を含む貴重な史料群であり、文書が作成された当時の形態を残しているものが多いのも特徴の一つです。
 この鰐淵寺文書は、東京大学史料編纂所の所員も参加する研究チームが中心となって調査・研究を進めるとともに、2012年度には島根大学・出雲市と東京大学史料編纂所が共同研究(共同利用・共同研究拠点 一般共同研究「出雲鰐淵寺文書の研究」研究代表者・井上寛司氏)を行い、史料編纂所によりデジタル写真撮影もなされました。研究チームでは2015年に『出雲鰐淵寺文書』を出版し、1600年以前の文書の翻刻を収めています。こうした研究成果がもとになり、重要文化財にふさわしいと答申されました。
 和田家文書は、既報の通り、昨年度、共同研究の成果をもとに大阪府指定文化財に指定されましたが、2018年度も継続して行った共同研究により、国の重要文化財に指定されることになりました。
 現在、東京国立博物館で開催中の新指定国宝・重要文化財の展示において、鰐淵寺文書・和田家文書ともに、その一部が展示されています。また、同じく新指定の豊臣家文書(とよとみけもんじょ)は、史料編纂所が2015年度から行っている「原本史料解析による複合的史料研究の創成事業」における本所所蔵「島津家文書」の調査・研究過程において、比較研究のため詳細な史料調査を行い、その成果も反映され、重要文化財の指定答申に至りました。
 史料編纂所では、全国各地の自治体・博物館等と連携して、史料原本の調査・撮影といった研究の下支えとなる事業を営み、その蓄積を出版物やデータベース、あるいは図書室などから公開しています。


「平成31年 新指定 国宝・重要文化財」
会場:東京国立博物館(上野公園) 本館 8室・11室
期間:2019年4月16日(火)~5月6日(月)

関連書籍

鰐淵寺文書研究会編『出雲鰐淵寺文書』 (法蔵館、2015年) ISBN: 978-4-8318-5041-6

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