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機関間連携による『史的文字データベース連携システム』の公開

掲載日:2020年10月20日

 東京大学史料編纂所、奈良文化財研究所、国文学研究資料館、国立国語研究所、京都大学人文科学研究所、中央研究院歴史語言研究所/数位文化研究中心(台湾)は、それぞれが従前より蓄積してきた歴史的文字画像データについて、相互に連携運用が可能となるよう協議・開発を重ねてまいりました。このたび情報運用の方法・仕様に関する指針に合意とするともに、機関や国境の壁をこえた「史的文字データベース連携システム」が本格稼働となりましたので、その概要・意義・展望などについて、2020年10月13日に記者会見を行いました。
 
 東京大学史料編纂所と奈良文化財研究所は、2009年よりそれぞれが集積した字形データを横断検索することができるシステムを構築・公開してきました。関連するDBのアクセス数は年間200万件に達するなど、歴史学研究上の基礎的インフラとして広く認識されていますが、今日、画像やメタデータの汎用性が飛躍的に高まったことで、さらに広範なDB連携ができる環境が整いつつあります。

 そこで同様に歴史的な字形データを集積している国文学研究資料館・国立国語研究所・京都大学人文科学研究所・中央研究院歴史語言研究所/数位文化中心(台湾)と共同して連携検索用ポータルサイト「史的文字データベース連携システム」(https://mojiportal.nabunken.go.jp/)を設け、一挙に検索可能範囲を拡大しました。それぞれの機関が自らの専門研究を進めるうえで集積した字形データは、中国・日本を覆い、時代も紀元前後から19世紀に及びます。データ総数はおよそ150万件に達し、東アジア漢字文化圏で最大の文字コレクションと言ってよいでしょう。

 さらにこの連携ポータルを通じて発信される情報は、すべてオープンデータを原則としており、ユーザーは自由にデータを2次利用することが可能です(creative commons CC-BY SA相当)。
 今回の取り組みは、人文学研究の基盤を一層強化するばかりでなく、文字のもつ多様な魅力を広く社会一般に示すものになると確信しています。今後、さらに連携の拡張を図るとともに、ポータルの機能を多様化・高度化することで、学術資源としての文字データの有用性を発信したいと考えています。

<史的文字データベース連携システムの検索画面>

 

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