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ハイパーカミオカンデの第一回予算検討会議(HKFF)を開催 14カ国の担当者が集まり議論

掲載日:2019年1月23日

2020年代後半の実験開始を目指すハイパーカミオカンデ(岐阜県飛騨市神岡町)の建設について、関係各国が議論する第一回予算検討会議が2019年1月11日、東京大学本郷キャンパスの小島ホールで開かれました。


 
ハイパーカミオカンデ(HK)は、現行のスーパーカミオカンデの約8倍の有効質量を持つ巨大水タンクとそのタンクの中に並べる超高感度光センサーからなる実験装置で、陽子崩壊の発見やニュートリノのCP対称性の破れ(ニュートリノ・反ニュートリノの性質の違い)の発見、超新星爆発ニュートリノの観測などを通し、素粒子の統一理論や宇宙の進化史の解明を目指しています。
 
今回の会議は、東京大学宇宙線研究所、カブリ数物連携宇宙研究機構および大学院理学系研究科の3部局の協力で2017年10月に発足した次世代ニュートリノ科学連携研究機構(NNSO)が、各国政府等に呼びかけて企画したもので、アルメニア、カナダ、フランス、イタリア、韓国、ロシア、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国、そして日本の14カ国から政府機関関係者および研究者を加え、約50人で開催されました。
 
会議では、梶田隆章所長が「この会議は、HKプロジェクトの目的やスケジュールなどの詳細についてみなさま方に知ってもらう場を提供するために設立したものです。国際協力をより強固なものにするための議論も深めていきたいです」とあいさつ。五神真総長も「HKプロジェクトは東京大学だけで実現させることは不可能で、高エネルギー加速器研究機構など日本の研究機関のみならず、国際的な協力が不可欠です。今回の会議が、プロジェクト実現に向けたみなさまとの協働に向けた活動の第一歩となることを願っています」と呼びかけました。

     

また、文部科学省研究振興局の磯谷桂介局長は、「本構想の科学的意義の重要性に鑑み、早期の実現に向けて最大限努力したいと考えております」と力強く述べました。
 

 
HKプロジェクトを巡る各国の共同研究者たちの研究内容や貢献、日本でのプロジェクトの進展などについて、HKFF会議は今後も継続的に確認することで合意しました。

 

翌12日には共同研究者を含む約25人が、飛騨市神岡町のスーパーカミオカンデを訪れ、水がほぼ満たされたタンク内を視察しました。


 
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