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仏IN2P3とハイパーカミオカンデ実験についての覚書を締結 東京大学、高エネルギー加速器研究機構

掲載日:2024年11月26日

 2027年の実験開始を目指し、岐阜県飛騨市神岡町で建設が進むハイパーカミオカンデ実験について、ホスト機関の東京大学と高エネルギー加速器研究機構(KEK)はこのほど、フランスの原子核素粒子物理研究所(IN2P3)との覚書を締結しました。同実験には、日本を含めて世界22カ国が参加・協力を表明していますが、日本との覚書が締結されるのは、ポーランド、スペイン、イタリア、カナダに続いて5カ国目となります。


覚書に署名する東京大学の藤井総長(左)、IN2P3のROY Christelle博士 (中央)、KEKの浅井機構長(右)  ©UTokyo, Cyril Frésillon / CNRS Images, KEK

 覚書の締結は各機関の持ち回りで行われ、東京大学の藤井輝夫総長、KEKの浅井祥仁機構長、IN2P3のROY Christelle博士がそれぞれ、2024年11月中旬までに署名しました。
 
 IN2P3から同実験に参加するのは、フランス国立科学研究センター(CNRS)と東京大学4部局の間の共同研究拠点ILANCE、LLRエコール・ポリテクニーク、LPNHEソルボンヌ大学の3研究機関です。覚書には、IN2P3側がハイパーカミオカンデ検出器の電子回路の時刻同期システムと電子回路の較正試験セットアップ、J-PARCニュートリノビームラインの電子回路の時刻同期システムを担当して、実験に参加することなどが明記されています。フランスとは、原子力・代替エネルギー庁(CEA)の宇宙基礎法則研究所(Irfu)とも別途、覚書を締結する予定です。

 ハイパーカミオカンデは、現行のスーパーカミオカンデの約8倍の有効質量を持つ巨大水タンクとそのタンクの中に並べる超高感度光センサーからなる実験装置で、陽子崩壊の発見やニュートリノのCP対称性の破れ(ニュートリノ・反ニュートリノの性質の違い)の発見、超新星爆発ニュートリノの観測などを通し、素粒子の統一理論や宇宙の進化史の解明を目指します。同事業は2020年2月、日本で最初の予算が成立して正式にスタート。2022年11月から本体空洞の掘削を開始し、2023年10月にドーム部分の掘削が終了するなど建設が本格化しています。

 
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