「季節性インフルエンザに対する半生ワクチンの研究開発」 AMED SCARDAワクチン・新規モダリティ研究開発事業に採択

「季節性インフルエンザに対する半生ワクチンの研究開発」が AMED SCARDA ワクチン・新規モダリティ研究開発事業に採択
東京大学 国際高等研究所 新世代感染症センター 河岡義裕 機構長が研究開発代表者を務める新規課題「季節性インフルエンザに対する半生ワクチンの研究開発」が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 先進的研究開発戦略センター(SCARDA)※1の令和7年度「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業(一般公募)」に、採択されました。
本課題では、季節性インフルエンザに対する新規モダリティ“半生ワクチン”の研究開発を行います。半生ワクチンは、現在実用化されているインフルエンザ弱毒生ワクチンとは異なり、ウイルスの遺伝子の一部を欠損させることにより複製能力が制限されたウイルスワクチンです。このワクチンを経鼻接種すると、本来のウイルスと同様に粘膜細胞に感染し、細胞内でウイルス抗原蛋白質が合成されるので、通常のウイルス感染時と同様の免疫応答を強力に誘導しますが、感染性を持つ新たなウイルス粒子は産生されません。そのため、安全性がより高い新規モダリティワクチンと言えます。
本研究では、非臨床試験での半生ワクチンのワクチン効果・安全性の検証に加え、実用化に向けて第I相臨床試験でのヒトでの安全性の検証を行うことを目指します。
本課題の採択は、令和7年6月9日に公表されました。(https://www.amed.go.jp/koubo/21/02/2102C_00014.html)
東京大学 国際高等研究所 新世代感染症センター
河岡 義裕 特任教授/機構長
兼:国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所 国際ウイルス感染症研究センター センター長
東京大学 医科学研究所 ウイルス感染部門 特任教授
用語解説
※1)先進的研究開発戦略センター(SCARDA)
感染症有事の際にワクチンを迅速に開発・供給するため、令和4年にAMED内に設置された組織。特に、「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業」では、国が定める重点感染症に対して、感染症有事にいち早く、安全で有効な、国際的に貢献できるワクチンを国内外に届けることを目標とし、(1)感染症ワクチンの開発、(2)ワクチン開発に資する新規モダリティの研究開発を実施する。