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総合図書館改修工事が完了、アジア研究図書館と共にグランドオープン

掲載日:2020年12月1日

総合図書館本館4Fに開設されたアジア研究図書館

2020年11月26日、東京大学附属総合図書館の別館竣工、本館の改修工事、アジア研究図書館開館を含む「新図書館計画」がすべて完了し、学内関係者によるグランドオープン記念式典が開かれました。

新図書館計画の構想から約10年を経て、総合図書館は120万冊の蔵書を合理的に管理し、歴史と伝統を大切にしながらもデジタル時代の研究と教育を支える空間に生まれ変わりました。本館の1Fの記念室や3Fのホールは、創建当時の美しい意匠を復元。別館には約300万冊の収容力を持つ地下40メートルに及ぶ自動書庫や、学習やイベントのためのスペース「ライブラリープラザ」が設けられています。

五神真総長は式典の挨拶で、総長就任直後の6年前にちょうど改修工事が本格化したこともあり、任期中のさまざまな出来事や行ってきた改革の中でもとりわけ印象深いと述べました。一時はコンクリートミキサー車が一日に数百台も入構し、近隣の道路の混雑や病院の救急車両への影響がないか非常に心配したとも話しました。
「幸い、事故もなく工事は無事完了しました。附属図書館が学術の多様性を支える基盤としての役割を今後も果たし、知のプロフェッショナルの育成に寄与することを期待します」

10月1日にサービスを開始したアジア研究図書館には、アジア研究のための第一級の学術資料や蔵書が集められ、世界最高水準のアジア研究環境を提供します。小野塚知二館長はまた、東大図書館の中で唯一研究機能を持つ図書館として、来年度からサブジェクトライブラリアンという専門性を持った図書館員が配置されることを挙げ、将来的にこのような職種が国内に広がっていく第一歩にしたいと述べました。

1877年に開学した東京大学に独立した図書館ができたのは1892年。総合図書館はそれ以来の歴史を誇りますが、当初の建物と蔵書の多くは関東大震災による火災で失われました。現在の建物は、ジョン・ロックフェラーJr.氏の寄付により再建されたものです。

社会連携や東大基金を担当する藤井輝夫理事・副学長は、こうした長きにわたる国内外からの寄付や蔵書の寄贈が図書館の礎になってきたと述べました。また、図書館内にプロジェクトボックスという大きさの異なる討議・グループ学習用スペースが7室設けられたことに触れ、「今はコロナ下で対面のイベント開催は難しい状況だが、状況が好転すれば、これらのスペースを使いながら教育研究結果の発信が行われると期待している」と話しました。

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総合図書館本館の大階段の前でテープカットを行った(右から)熊野純彦附属図書館長、五神真総長、藤井輝夫副学長、小野塚知二アジア研究図書館長
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創建当時の意匠を復元した本館3Fのホール
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別館地下1Fの学習スペース、ライブラリープラザ。噴水広場の真下に位置し、天井から柔らかな外光がそそぐ

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