令和3年度「東京大学稷門賞」授賞式が挙行される

　令和3年度「東京大学稷門賞」の受賞者が、「島村　昭治郎様」「長谷川　智彦様」「JSR株式会社様」「公益財団法人上廣倫理財団様」に決定し、授賞式が10月5日（火）17時30分から伊藤国際学術研究センター伊藤謝恩ホールにおいて挙行されました。なお、当日島村様はご欠席で、他3団体にご出席いただきました。

　本表彰は、私財の寄附、ボランティア活動及び援助等により、本学の活動の発展に大きく貢献した個人、法人又は団体（現に在籍する本学の教職員及び学生は原則として対象外）に対し授与するもので、平成14年度より毎年度行っています。
 
　授賞式では、選考結果の報告、各受賞代表者への表彰状の贈呈があり、その後、総長の挨拶、受賞者からの挨拶が行われました。
 
　今年度は、昨年度に続き新型コロナウイルス感染拡大防止のため、会場での出席人数を限定し、Zoomウェビナーによる配信を行いました。 
 
　なお、受賞者の授賞理由は以下のとおりです。
 
◎ 受賞者
1．島村　昭治郎様　
　授賞理由：2015年度に学部2年次の女子学生を対象とした「東京大学さつき会奨学金(島村昭治郎記念口)」を創設。2020年のコロナ禍においては経済的に影響を受けた学生への支援を実施することを提案いただき、「さつき会応援奨学金」による経済支援(一時金10万円)を実行した。6年間で29名の女子学生が支援を受けており、女子学生を包括的に支援するための高額な支援は、本学への貢献度も高く、入学する女子学生が安心して学生生活を送れるよう様々な支援に取り組んでいる本学の取組みとも合致している点も評価され、採択することとなった。
 
2．長谷川　智彦 様
 　授賞理由：2018年度から数理・情報教育研究センター(MIセンター)に設置された寄付研究部門「データサイエンス社会実装寄付部門」は、データサイエンスの社会実装に関する研究や本学の文系・理系分野の学生に対するデータサイエンスの実践的教育方法に関する研究を行っており、本学学生に対するデータハッカソン、コンテスト等を含む実践的データサイエンス教育方法の研究と実践、データサイエンスに関連するベンチャー創出の支援、データサイエンスの社会実装に関するシンポジウム、ワークショップ等の実施等に取り組んでいる。本学における数理、データサイエンス、AIの実践的教育に関して1つの寄付研究部門にとどまらず、全学のデータサイエンスを支えるために貢献していただいた点が本学の活動に顕著な功績を挙げていると評価され、採択することとなった。
 
3．JSR株式会社様
 　授賞理由： 2020年4月、理学系研究科物理学専攻との間で、材料の学理探究とそれに基づく新材料開発を目的とした包括連携に合意し、共同研究を開始した。これに合わせて、物理学専攻の研究教育活動の支援と博士課程学生を対象とした給付型フェローシップ（JSRフェローシップ）設立のため、寄附をいただくことになった。また、共同研究経費の一部を理学部の施設整備や物理学専攻が企画する国際会議開催費や最先端物理学の魅力を一般の方にわかりやすく伝えるビデオ教材製作費等に充当、大学本来の研究・教育に資する使途が可能となっている。研究教育支援及び学生の経済的支援が行える寄附金であり、本学に多大な貢献をしていただいていると評価され、採択することとなった。
 
4．公益財団法人・上廣倫理財団様
 　授賞理由：(附属図書館)「アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門(U-PARL)」の設置からアジア研究図書館（2020年10月）の開館までの7年間に多額の経費を投資してアジア研究図書館に収める貴重な学術書やデータベースを購入した一方、開館に向けた資料購入、分類付与、登録等の作業を担当する教職員雇用のため、10年間という長期にわたり多額の寄附をいただいた。
(人文社会系研究科)上廣死生学・応用倫理講座（当初名称は「上廣死生学講座」）は人文系の臨床倫理・臨床死生学の学知を臨床や介護の現場に届けるために、上廣倫理財団の寄付によって2007年に創設されたもので、医療・介護従事者に対するリカレント教育を精力的に展開し、シンポジウムやセミナー等を実施してきた。
(大学院総合文化研究科)附属共生のための国際哲学研究センター(UTCP)内に設置された上廣共生哲学寄付研究部門は、様々なコンフリクトが存在するこの世界で、自然と人間、技術と人間、健常者と障害者など、様々な意味での強制を哲学的に省察し、国内外に協働するネットワークを構築し、次世代を担う若い世代の育成を目指し、国内外で数多くのこれまでセミナーや講演会等を実施してきた。本学の人文社会学系に長期にわたり多大な貢献をしていただいており、その意義は評価されるものであり、採択することとなった。
 
【記念撮影】 【受賞者様ご挨拶】