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合成生物学の国際大会iGEMで東大チームがGold Medalを受賞

掲載日:2023年11月15日

2023年11月2日から11月5日にかけてフランス・パリにて開催された合成生物学の世界大会であるiGEM(international Genetically Engeneered Machine competition)において、iGEM UTokyoチームはGold Medalの受賞、Best Integrated Human PracticesとBest Part Collection のノミネートという成績を収めました。今年度は医科学研究所遺伝子・細胞治療センター分子遺伝医学分野の岡田教授の指導のもとプロジェクトを進め、昨年度に引き続き、好成績を収めることができました。



昨年度よりも参加チームの数は増え、今年度の大会には世界66カ国から400ものチームが参加しました。各チームは合成生物学の技術を用いて社会課題を解決するプロジェクトを進め、その技術面や社会実装の可能性などで競い合います。
 


今年のiGEM UTokyoのプロジェクトでは「迅速性と社会課題に最適な形に応用できる拡張性を併せ持った”SWIFT”の開発」に取り組みました。
合成生物学では、バイオマーカーを検知し、その応答としてタンパク質を合成するというシステムを作る例は多くありますが、このような反応の速度は化学反応などに比べて遅く、実用化は難しいというのが現状です。そこで、我々は合成受容体ユニットで色々な種類のバイオマーカーを検知し、シグナルを増幅し、タンパク質を転写段階ではなく分泌段階で制御することで、従来の転写因子を用いてタンパク質の転写を活性化するというシステムより応答速度を速めることを可能にしました。
『SWIFT』の応用先として、ウイルス感染やCAR-T細胞療法の副作用として発症するリスクのある、サイトカイン放出症候群(CRS)への予防治療をメインに考えていましたが、専門家の方とのお話しを通じて、ペプチドホルモン調節やバイオレメディエーションなど広い分野での応用も見出しています。

iGEM UTokyoでは、東大基金において寄付募集をしており、皆様から頂戴した多大なご支援をもとに研究活動を行っています。東大チームが来年以降の大会にも出場できますよう、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。
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