令和6年度「東京大学安全の日」講演会を開催

本学では、平成17年に構成員が潜水作業中に亡くなる事故が発生した7月4日を「東京大学安全の日」と定め、安全の日を迎えるこの時期に、事故の記憶を風化させることなく、教育研究活動における安全衛生の向上、事故災害の防止及び安全意識の向上を図る目的として毎年講演会を実施しています。令和6年度の講演会は7月9日(火)に「リスクのレベルに応じた安全確保」をテーマにハイブリッド形式で開催しました。
藤井総長からの開会挨拶では、本講演会が様々なリスクや安全確保についての知見を得る貴重な機会であること、創造的な挑戦に取り組む際にも根底には安全かつ快適な教育研究環境及び労働環境の確保が必要不可欠であることなど、本講演会と学内における環境安全衛生活動の意義が述べられました。続いて、齊藤理事の開会挨拶では、本学において円滑に教育研究活動を遂行するには、リスクを正しく把握した上で適切な安全確保を行う必要がある、と本講演会のテーマの重要性が述べられました。
講演会第一部では、本学史料編纂所の榎原雅治名誉教授から、「歴史資料で知る地震・災害と社会」をテーマとして、複数の研究事例から史料研究と地震学・火山学の連携によって各時代の災害の様子や社会への影響を明らかにし、過去の被害の記録を次の防災に活用することの重要性についてお話しいただきました。続いて、環境安全本部産業医の黒田玲子准教授から、「令和5年度事故災害の概要報告」として、昨年度の事故災害の分類と概要の解説と、過去の事例を活用した職場での転倒防止対策等についてご報告いただきました。
講演会第二部前半では、本学大学院工学系研究科原子力専攻の岡本孝司教授から、「グレーデッドアプローチの基本理念と応用における留意点」をテーマにグレーデットアプローチという安全確保の手法の基本理念や、国際原子力機関のガイドラインをはじめとする原子力の現場での活用事例を解説いただきました。続いて、後半ではヤマトプロテック株式会社の吉川昭光常任顧問から、「火災の種類、規模に応じた新しい防火設備と機器」をテーマに火災の分類や発生メカニズムなどをご説明いただき、同社が開発した最新の防火設備と機器の事例を火災リスクの低減に貢献する技術としてご紹介いただきました。







