ARTICLES

印刷

「赤浜の東大」が50歳に 大槌沿岸センターが開設50周年記念式典を開催

掲載日:2023年11月24日

 岩手県の大槌町にある大気海洋研究所の大槌沿岸センター。当地の地名から「赤浜の東大」と称される研究拠点が、このほど開設50周年を迎え、11月17日に記念式典と祝賀会が行われました。式典会場となったのは、大槌町文化交流センター「おしゃっち」。大槌の中心地「御社地」にちなんだ愛称を持つ文化拠点には、大学関係者、関係省庁や研究機関の皆様、そして地元の皆様など、鉄道が一時止まるほどの大雨があったにもかかわらず、多くの参加者が集いました。

 式典は三陸の空に虹が架かるなかでスタート。式辞では、大気海洋研究所の兵藤晋所長が、1973年の設立から、30周年時の改組、2011年の被災と復旧、2022年の国際・地域連携研究センターへの改組へと至る50年間の歩みを概観。社会連携担当の津田敦理事・副学長は、年に1ヶ月は大槌に滞在していた大学院生時代の思い出と、所長として挨拶した2018年の新棟竣工式、「海と希望の学校 in 三陸」などについて振り返りました。

 祝辞では、文部科学省研究振興局大学研究基盤整備課長の柳澤好治様から、研究機関として地元と一層の信頼関係を築いてほしいとの期待が述べられました。本学理事・副学長を務めた国立研究開発法人海洋研究開発機構理事長の大和裕幸様は、前に大槌を訪れた際に学生の目の輝きと船の整備の充実ぶりに驚かされたとの思い出を披露。本学卒業生である岩手県知事の達増拓也様からは、センターが三陸の大きな励みになっている旨が、この日が任期最終日だった釜石市長の野田武則様からは、一人ひとりが学び合う社会の実現をともに進めてきた旨が、大槌町長の平野公三様からは、「海の勉強室」を中心にセンターが地域に開かれた活気あふれる場となっている旨が、各々紹介されました(三氏の祝辞は代読)。

 記念講演には、2008年から2年半センター長を務めた道田豊先生が、「これからの50年に向けて」との題で登壇。学生時代からの知り合いである達増知事と語り合った「海のシリコンバレー」構想を述懐するとともに、大槌高校に発足したはま研究会の出身者がセンター長になった50年後の未来への希望を語りました。最後に大気海洋研究所の沖野郷子副所長が、地元の小中学校の子どもたちがよく訪れてくれることがセンターの大きな喜びであると閉式の辞を述べました。 

 続いて、センター近くの大槌町中央公民館赤浜分館・多目的ホールにて開催された記念祝賀会では、前センター長である河村知彦執行役・副学長、文部科学省研究開発局海洋地球課長の山之内裕哉様(代読)、被災時のセンター長として復興に尽力した大竹二雄様、岩手大学三陸水産研究センター長の平井俊朗様、大槌町議会議長の小松則明様から各々熱のこもった挨拶があり、地元の陸中弁天虎舞による伝統舞踊が宴に花を添えました。最後に国際・地域連携研究センターの青山潤センター長が感謝と閉会の辞を述べ、50周年の記念イベントを締めくくりました。


兵藤所長
記念式典で式辞を述べる兵藤所長。1973年の設立時、センター名は大槌臨海研究センターでした。


道田先生
記念講演で登壇した道田先生は日本人初のユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)議長。2001年から漂着物学会の活動を続ける市民科学推進者としても知られます。


大竹先生
祝賀会で乾杯の挨拶を述べる大竹先生。2011年4月に大槌を訪れ、全学として復旧を支援すると約束した濱田純一総長(当時)の言葉が心強かったと語りました。


虎舞
2018年の新棟完成記念祝賀会でも会を盛り上げてくれた陸中弁天虎舞。

アクセス・キャンパスマップ
閉じる
柏キャンパス
閉じる
本郷キャンパス
閉じる
駒場キャンパス
閉じる