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「海と希望の学園祭 in Kamaishi」を開催 海だ!にょろりだ!釜石だっ!

掲載日:2023年12月5日

 11月18日、19日の2日間にわたり、海に関する研究などを学べる「海と希望の学園祭 in Kamaishi」が釜石市で開催されました。釜石市が主催し、同市と研究連携や人材育成など様々な分野で連携する東大の4研究所(大気海洋研究所社会科学研究所生産技術研究所先端科学技術研究センター)が共催したこのイベント。海洋研究に関する展示、巨大なバルーンアート、トークイベント、海に関連するバスボムを作るワークショップや映画上映など様々な催しが行われ、会場となった釜石情報交流センター釜石市民ホールTETTOには多くの人が集まりました。

 トークイベントには計2名の東京大学の教員が登壇し、それぞれが取り組む研究や釜石市との連携事業などついて紹介。社会科学研究所の中村尚史先生は「グローバル化の波動:「海をわたる機関車」によせて」と題し、19世紀末から20世紀初頭に日本が独自の技術体系を作り上げ、帝国主義的な拡張の中でグローバル化した鉄道の経済史について講演しました。先端科学技術研究センターの飯田誠先生は再生可能エネルギーの固定価格買取制度などの仕組みや洋上風力発電、また釜石湾で進めている波力発電の実証実験などについて説明し、波のエネルギーを使って地域を活性化するという期待も述べました。

 「東大に聞いてみよう!~スーパーサイエンス3と『にょろり』な対話~」と題したトークイベントには社会科学研究所長の玄田有史先生、大気海洋研究所長の兵藤晋先生、生産技術研究所長の岡部徹先生、先端科学技術研究センター所長の杉山正和先生が登壇。それぞれの研究所が歩んできた歴史を振り返るとともに、そこで行われている多様な研究も紹介。「科学とは?」という問いには、会場に来ていた東大の先生も参加し、「希望」、「真実の追求」、「想像力」、「断りをもって夢をかなえるもの」など様々な声があがりました。また民間企業との連携や社会実装、そして地域とのつながりなどについても意見を交わし、地域が抱える課題について研究を役立てていきたいといった思いが語られました。

 19日午前には先端科学技術研究センターから、杉山先生と飯田先生、そして副所長の稲見昌彦先生が登壇し、「透明人間になれるマント」や「超人スポーツ」といった人間拡張工学や、再生可能エネルギーなどの研究を紹介。また先端科学技術研究をどう地域に届けていくかというお題については、「地域の人々と一緒に先端技術を作っていく」大切さや、地域の資源などを活用して課題解決につなげていくといった意見を交わしました。

 午後には社会科学研究所の中村先生、大気海洋研究所の青山潤先生、そして近畿大学の渡邊俊先生が参加した「にょろり旅」と題したトークイベントも開催されました。「海だ!にょろりだ!釜石だっ!」という学園祭のキャッチコピーのとおり(?)、海と希望について学んで楽しむ特別な2日間となりました。 


トークイベント
11月18日に行われた「東大に聞いてみよう!~スーパーサイエンス3と『にょろり』な対話~」と題したトークイベントに登壇した玄田有史先生、兵藤晋先生、岡部徹先生、杉山正和先生。(左から)


先端で語る地域社会~釜石の未来を考える~
「先端で語る地域社会~釜石の未来を考える~」と題したトークイベントには先端科学技術研究センターから3人の先生が登場。左から飯田誠先生、杉山正和先生、稲見昌彦先生。


バルーンアート
大気海洋研究所出身のバルーンアーティスト・須原三加さんによる作品。大槌在住の大土直哉先生が見つけた新種「オオヨツハモガニ」がモデルです。


空気の人
先端科学技術研究センター客員研究員でもあるアーティスト・鈴木康広さんの代表作「空気の人」が会場に登場。
 

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