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東京フォーラム2022 を12月1、2日に開催

掲載日:2022年12月12日

東京フォーラム2022が12月1日(木)と2日(金)、東京大学と韓国Chey Institute for Advanced Studiesの共催で開かれ、「哲学と科学の対話:戦争とパンデミックそして気候変動に直面する世界の中で」をテーマに、活発な議論が交わされました。今年で第4回となる本フォーラムには、アカデミアを中心に各界から30人以上の識者が参加しました。過去2回はオンラインでの開催を余儀なくされましたが、今回はハイブリッド形式で開催。一般参加者が安田講堂で熱心に議論に耳を傾けたほか、世界36か国からオンラインでの視聴がありました。
 
開会の挨拶で、藤井輝夫総長は、近代の目覚ましい科学技術の進展がもたらした負の側面に立ち向かうためには「哲学と科学の対話」が必要だとし、本フォーラムのテーマの意義について語りました。「21世紀の『哲学』には、世界に広がる地域性と多様性に基づく『普遍』を構築することが求められます。人間中心主義を無反省に普遍と考えてきた歴史を批判し、生態系や自然など、人間以外の他者との共生に開かれた普遍でなければなりません」と説いた上で、科学にも変革を求めました。「21世紀の『科学』もまた、自らを批判する態度を欠いた科学至上主義から脱去し、自らの限界を認識する努力が求められています。それは、科学にとって倫理とは何かを、改めて問い直すことでもあるのではないでしょうか。」
 
また、チェ・テウォンSKグループ会長は、「今日、我々は出口が見えない、暗いトンネルの中にあります」と、人類が直面する課題に対して危機感を共有しました。その上で、「広い心で違いを認めることを学び、より柔軟で多様、そして型にはまらない思考で、現実的な解決策を探る」必要性を説きました。
 
基調講演では、前国連事務総長の潘基文氏、総合研究大学院大学の長谷川眞理子学長、シカゴ大学のポール・アリヴィサトス学長がそれぞれ、科学技術が急速に進展する中での哲学の役割について示唆に富む議論を展開しました。
 
ハイレベルトークセッションでは、「哲学と科学の対話―新しい啓蒙に向かって」をテーマに議論。哲学者や物理学者、科学史研究者がそれぞれの立場から、21世紀の哲学に必要とされる「新しい啓蒙」の構築について、「普遍性」や「地域性」「多様性」「倫理性」などのキーワードを交えながら意見を述べました。
 
東京フォーラムは「Shaping the Future (未来を形作る)」を包括的なテーマとして、2019年から毎年、開催しています。
 

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