ARTICLES

印刷

「The 91st Public Policy Seminar」を開催 WTO事務局長 Dr. Ngozi Okonjo-Iweala 講演

掲載日:2023年5月30日

2023年5月22日(月)、WTO(世界貿易機構) ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長が本学本郷キャンパスを訪問し、本学学生を対象とする講演会で基調講演を行いました。続いて行われたパネルディスカッションでは、藤井輝夫総長のほか、石井菜穂子理事、飯田敬輔公共政策大学院長が登壇し、オコンジョ=イウェアラ事務局長と世界貿易の課題や可能性について活発な議論を交わしました。『Our Challenges and Opportunities on Global Trade – Supply Chain Resilience and Sustainability』と題した本イベントは、公共政策大学院と国際戦略企画室事業運営WGの共催により、第91回目の公共政策セミナー として実施され、本学の学生約60名が参加しました。

基調講演において、オコンジョ=イウェアラ事務局長は、WTOの役割、WTOが取り組む国際貿易とサプライチェーンの課題、また分散と連携を駆使して戦略的な経済成長を遂げてきた日本の国際貿易史における実績がアジアにもたらした好循環に触れながら、貿易の分散がサプライチェーン・レジリエンスにつながること、我々がCOVID-19やウクライナ危機から学んだように多国間で貿易を分散させ連携を図ることの重要性について語りました。また“Reglobalization”(グローバル化の再定義)という新たな国際貿易モデルを構築するうえで日本に強力なリーダーシップを期待していることと、国際社会における日本の役割を強調しました。

登壇の様子
登壇の様子
 

パネルディスカッションでは石井理事がモデレーターを務め、オコンジョ=イウェアラ事務局長と藤井総長、飯田院長が国際貿易の課題と可能性や大学の役割について活発に意見を交換しました。オコンジョ=イウェアラ事務局長はWTOが取り組む貧困問題などの幅広いトピックを例として挙げながら、国際貿易における分散と連携の重要性を語り、藤井総長は利益に基づく国際貿易の考え方からの脱却と新しい概念への移行を示唆したうえで、新しい価値を生み出す場としての本学における東京フォーラム の試みを紹介しました。また、大学の役割について、オコンジョ=イウェアラ事務局長は多くの人々がSNS等で主観的な投稿をする中で、大学は客観的な分析を行うことが重要であり、イノベーションを推進しながらも新しいテクノロジーをどのように管理するか、そのガイドラインを作っていくことにつき大学には重要な役割があると述べました。これを受け、藤井総長は、様々な国や人々を巻き込んだ議論を可能とするのが大学の使命であり、学生のスタートアップ事業、特にソーシャル・アントレプレナーシップを重視し、新しい試みへの支援をしていきたいと意気込みを語りました。

パネルディスカッション終了後に実施されたQ&Aセッションでは、参加した学生から、分断とリスク分散、”Re-globalization”、グローバルコモンズ、安全保障など、今日の国際貿易に関係する様々なトピックに対する質問が寄せられ、オコンジョ=イウェアラ事務局長をはじめとしたパネルディスカッション登壇者が回答を行いました。最後にオコンジョ=イウェアラ事務局長から再度、国際貿易における分散と連携がサプライチェーン・レジリエンスに繋がる旨の発言があり、イベントは盛会のうちに終了しました。

集合写真
集合写真

関連リンク

アクセス・キャンパスマップ
閉じる
柏キャンパス
閉じる
本郷キャンパス
閉じる
駒場キャンパス
閉じる