特別展「Novelists and Newspapers: The Golden Age 1900-1939―新聞の中の文学:黄金時代1900-1939」

基本情報
区分 | 展示 |
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対象者 | 社会人・一般 / 在学生 / 受験生 / 留学生 / 卒業生 / 企業 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 大学生 |
開催日(開催期間) | 2017年4月29日 — 2017年6月25日 |
開催場所 | 駒場地区 |
会場 | 大学院総合文化研究科・教養学部 駒場博物館 1階展示室 (駒場キャンパス 目黒区駒場3-8-1) |
参加費 |
無料
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申込方法 | 事前申込不要 |
お問い合わせ先 | 駒場博物館 03-5454-6139 komabamuseum@adm.c.u-tokyo.ac.jp |
開催期間:2017/4/29~2017/6/25 (休館日:火曜日)
開館時間:10:00-18:00 (入館は17:30まで)
本展は、20世紀の初頭から第二次世界大戦初期までに至る時期に、極めて豊かな創造性を発揮したものの、今日ではあまり知られていない、日刊・週刊新聞の連載小説とその豊富な挿絵、短編、詩の貴重な資料を紹介するものです。新聞小説の驚くべき成功は、印刷技術の向上、識字率の上昇、そして読者を奪い合う新聞間の激しい競争との相乗効果によりもたらされました。
本展が示すのは、業界の先頭に立ったアメリカの「大都市」新聞を筆頭とする、新聞業界のドンの間の激しい競争が、「作家崇拝」現象を引き起こしたことです。作家たちは有名人として、そして時には公の知識人として、売り出されました。20世紀初頭の数十年間、ラジオやテレビなど他のメディアによって娯楽装置としての地位が脅かされるまで、新聞小説は主に中流階級の読者層に対する、比類なき文化的浸透力を発揮し、文学的「嗜好」に大きな影響を及ぼしました。しかしながら、読んでは捨てられるという新聞メディアの性質ゆえ、そして戦後文学批評を長らく支配した「高尚な」文学研究のアプローチゆえに、新聞小説固有の豊かさと多様性は、嘆かわしいほどに見過ごされてきました。したがって本展では、関連する新聞小説、挿絵などの資料を用いながら、新聞がフィクションを提供するようになり(といっても、いつも良質だったわけではないのですが)、階級的価値観を強化し、また国家の威信と連帯を促進しつつ高度に演出された集団的読書体験を創出した過程を描き出します。
著名な作家の作品展示例として、チャールズ・ディケンズ『主イエスの生涯』(作者の死後、1934年にさまざまな新聞で連載)、エーリヒ・マリア・レマルク『西部戦線異状なし』 (1928年『フォシッシェ・ツァイトゥング』連載)、アーサー・コナン・ドイル『恐怖の谷』(1914年『ニューヨーク・トリビューン日曜版』連載)、ヒュー・ロフティング『ドリトル先生』(1920年代初頭『ニューヨーク・トリビューン』連載)、そしてラドヤード・キプリングや、ロバート・ルイス・スティーブンソンによる詩が挙げられます。さらに本展示ではこうした著名な作家だけでなく、百年前の当時は人気を博したものの、今や忘却のうちに眠っている作家たちの作品も掘り起こします。彼らは大作家と同じ新聞小説のページで作品を連載されながらも、様々な理由によって変わりゆく読者層の共感を得られなくなっていった、そんな作家たちのことです。
二か月の展示期間中、展示に関連するテーマをめぐってゲストスピーカーによる公開講座・講演も予定しています。
