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展示「もうひとつの一高――戦時下の一高留学生課長・藤木邦彦と留学生たち」

掲載日:2022年3月8日

基本情報

区分 展示
対象者 社会人・一般 / 在学生 / 留学生 / 卒業生 / 高校生 / 大学生 / 教職員
開催日(開催期間) 2022年3月22日 — 2022年6月24日
開催場所 駒場地区
会場 東京大学大学院総合文化研究科・教養学部 駒場博物館
〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1
TEL:03-5454-6139 FAX:03-5454-4929
http://museum.c.u-tokyo.ac.jp/guide.html
参加費 無料
申込方法 事前申込不要
お問い合わせ先 東京大学東アジア藝文書院(EAA)駒場オフィス
メール:info*eaa.c.u-tokyo.ac.jp
※メールを送信する際は、*を半角@マークに変更してください。
電話:03-5454-4333

「もうひとつの一高――戦時下の一高留学生課長・藤木邦彦と留学生たち」

 一高における中国人留学生の受け入れは、明治32年(1899)に清国より留学生8名を聴講生として迎えることから始まりました。そして明治41年(1908)に、留学生専用の一ヶ年課程として「特設予科」が設置されたことをもって本格化します。その後、昭和7年(1932)の「特設予科」廃止とともに創設された三ヶ年課程「特設高等科」は当初、中国人のために始められましたが、戦時下は受け入れ対象地域が「大東亜共栄圏」にまで広がっていきました。戦後は、敗戦により日本の支配から離れた台湾や朝鮮からの生徒も特設高等科生(特高生)に含まれることとなりました。


本展示では、藤木邦彦という人物を核として、昭和18年に設置された一高における留学生課長の職務とその実態について迫るとともに、多様な出自や背景をもって一高に留学してきた特高生たちに焦点をあてています。とりわけ、特高生たちが藤木宛にしたためた 50 通弱の書簡類は、彼らの休学中の帰省先や集合教育という名で行われた疎開先等での状況が把握できる貴重な資料であり、日本語で手紙を書く苦労や親しみやすい藤木の人柄も偲ばれるものです。これらの書簡を含む文書類は、全寮制の自治精神において語られる所謂「一高」に関する歴史叙述には収まりきらない、より複雑で多様な「もうひとつの一高」の姿を垣間見せてくれます。戦時下の特高生たちは、一高の本科生とは全く異なる管理監視体制の下で悩み、特高生内部においても葛藤を抱えながら、他方では一高の教員を慕い、「一高生」としての誇りを胸に青春時代を生きました。


本展示は、この「藤木文書」を窓口に、当時の一高における特高生たちの実態、その後の特高生たちの同窓会での交流までを含めた戦後における活動を、彼らの刻んだ歴史として示そうと試みました。ぜひ、「藤木文書」から浮かび上がる「もうひとつの一高」を体験していただきたいと思います。

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