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HMC第63回オープンセミナー 大江健三郎氏寄託資料の現在と未来

掲載日:2022年4月4日

基本情報

区分 講演会等
対象者 社会人・一般 / 在学生 / 受験生 / 留学生 / 卒業生 / 企業 / 高校生 / 大学生 / 教職員
開催日(開催期間) 2022年4月16日 14時 — 16時
開催場所 オンライン
参加費 無料
申込方法 要事前申込
こちらのZoomウェビナー登録ページよりお申し込みください。
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/webinar/register/WN_TsqbwiVeTieJAr2XK1wx6A
申込受付期間 2022年4月1日 — 2022年4月14日
お問い合わせ先 東京大学ヒューマニティーズセンター humanitiescenter.utokyo*gmail.com(*を@に置き換えてください)
東京大学ヒューマニティーズセンター(HMC)では定期的にオープンセミナーを行い、HMCフェローの先生方の研究成果を発信しております。

2021年1月、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部は、大江健三郎氏の自筆原稿などの資料の寄託を受けました。63回目となる今回のセミナーは、同資料の寄託を契機に結成されたHMC企画研究「大江健三郎氏寄託資料に関する基礎的研究」に参画されているHMCフェローの先生方にご報告を頂きます。ご関心のある皆様のご参加をお待ちしております。

<プログラム>
14:00~ 開催趣旨
 安藤 宏「大江健三郎文庫(仮称)の現状について」
14:10~16:00 研究報告(各報告30分、質疑5分程度)
 村上 克尚「原稿から新たな読みの可能性へ――「空の怪物アグイー」を例として」
 阿部 賢一「森昭夫氏の寄贈資料について」
 大向 一輝「人文学におけるデータ共有の可能性」

<報告概要>
・村上 克尚(東京大学大学院総合文化研究科 准教授)「原稿から新たな読みの可能性へ――「空の怪物アグイー」を例として」
「空の怪物アグイー」(『新潮』1964年1月号)は、前年に大江の長男が障害を持って誕生したことを受けて書かれた重要な短編である。本作の結末で「ぼく」がつぶやく「さようならアグイー」という謎めいた言葉には、様々な解釈が出されてきたが、原稿で消された部分を読み合わせることで、少なくとも作家がどのような意図でこの言葉を書いたのかに迫ることができるように思う。これを一つの例としつつ、大江文庫の原稿が今後どのような新たな読みを可能にするのかについて話してみたい。

・阿部 賢一(東京大学大学院人文社会系研究科 准教授)「森昭夫氏の寄贈資料について」
『大江健三郎書誌稿』を編纂したことで知られる森昭夫氏が長年収集してこられた大江健三郎氏の関連資料が本学文学部・研究科に寄贈された。大江氏の著書、編著のみならず、研究書、関連図書、さらには新聞記事の切り抜きなど、多岐にわたる資料の整理状況を紹介しつつ、活字資料を活用する可能性について検討をしてみたい。

・大向 一輝(東京大学大学院人文社会系研究科 准教授)「人文学におけるデータ共有の可能性」
近年の学術研究の潮流として、書籍や論文などの最終成果だけではなく、研究の過程で作成される中間データを広く共有し、他分野との交流を活性化するオープンサイエンスが注目されている。人文学ではこれまでも資料を媒介としたコミュニケーションが行われてきたが、デジタル環境におけるデータの共有にどのような課題と可能性があるかについて議論する。

■企画研究「大江健三郎氏寄託資料に関する基礎的研究」
2021年1月、大江健三郎氏の自筆原稿など約18,000枚にのぼる資料が東京大学大学院人文社会系研究科・文学部に寄託されました。「大江健三郎氏寄託資料に関する基礎的研究」は、寄託された資料の整理、データベース化を進め、基礎的な研究基盤を構築するプロジェクトです。今後の草稿研究に新たな可能性を提起するとともに、日本文学・外国文学の研究者がワークショップを通じ、「世界文学」としての大江文学の再評価を試みます。
今回のオープンセミナーでは、日本の現代文学、比較文学、デジタル・ヒューマニティーズそれぞれの研究者が、これまでに実施した関係者によるワークショップの成果なども踏まえて報告を行います。
本研究初となる公開形式のセミナーにどうぞご期待ください。
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