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HMC第83回オープンセミナー ジャック・ラカンによる「言語」

掲載日:2022年9月26日

基本情報

区分 講演会等
対象者 社会人・一般 / 在学生 / 受験生 / 留学生 / 卒業生 / 企業 / 高校生 / 大学生 / 教職員
開催日(開催期間) 2022年9月30日 17時30分 — 19時30分
開催場所 オンライン
参加費 無料
申込方法 要事前申込
こちらのZoom登録ページよりお申し込みください。 https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZEqd-uurjsvG9SPzSzx8UoCaz9sHojTgnIz
申込受付期間 2022年9月26日 — 2022年9月30日
お問い合わせ先 東京大学ヒューマニティーズセンター hmc-info*l.u-tokyo.ac.jp(*を@に置き換えてください)
東京大学ヒューマニティーズセンター(HMC)では定期的にオープンセミナーを行い、HMCフェローの先生方の研究成果を発信しております。今回は第83回目のセミナーとなります。ご関心ある皆様のご参加をお待ちしております。

報告者:原 和之(東京大学大学院総合文化研究科教授)
ディスカッサント:立木 康介(京都大学人文科学研究所教授)
使用言語:日本語
主催:東京大学ヒューマニティーズセンター

概要

20世紀フランスの精神分析家ジャック・ラカンによる精神分析の再定義の試みは、その定義を基礎づけるより一般的な二つの概念、「こころ」と「ことば」の根元的な問い直しと共に進められてゆきました。このうち「こころ」の問い直しをとり上げた第1回に続き、第2回となる今回は、ラカンが「ことば」をどのように異なった仕方で考えようとしたかを見てゆきます。

1950年代のフランスで、精神分析の新しい姿を提示すべき立場に置かれたラカンが、精神分析という営みの基礎をなすものとして注目したのが「言語」の次元でした。治療の中で言葉が持つ力については、精神分析の創始者であるフロイトがすでに繰り返し指摘していますが、それが主題化されるのがフロイト以後のこの時期になったのはなぜなのか。その理由の一つと考えられるのが、フロイトとラカンの間に登場した「一般言語学」です。フェルディナン・ド・ソシュールによって創始されたこの分野は、フロイトの議論を制約していたのとは異なった、言語を語るための新たな枠組みを提案するものであり、なかでもその議論の中で提示された「意味」に関する独自の観点は、「こころ」と「ことば」を外的に影響し合う二つの存在としてではなく、互いに結びついて同じ一つの構造をなすものとして見る見方を可能にするものでした。

以上のような観点から、本セミナーではラカンの思想形成の過程で展開された言語をめぐる議論のうち、中期に集中的に論じられた「シニフィアン連鎖」と「欲望のグラフ」という二つの概念装置をとり上げ、それが言語学や哲学、数学などへの学際的な参照の中でどのように練り上げられていったかを概観した上で、それがそもそも人がなにかを「聴く」とはどういうことかという根本的な問いへの答えとして考案された抽象的な機械、「ラカン・マシン」と呼ぶべきものではないかという見方を提示し、これを糸口としてラカンの「言語」観について論じたいと思います。
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