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HMCセミナー「橋が築く都市景観──ターナーとロンドンのウェストミンスター橋」

掲載日:2024年3月11日

基本情報

区分 講演会等
対象者 社会人・一般 / 在学生 / 受験生 / 留学生 / 卒業生 / 企業 / 高校生 / 大学生 / 教職員
開催日(開催期間) 2024年3月21日 17時 — 19時
開催場所 オンライン
参加費 無料
申込方法 要事前申込
申し込み方法の詳細は、以下のリンクからご確認ください。
https://hmc.u-tokyo.ac.jp/ja/open-seminar/2024/106-cityscape-with-bridge/
申込受付期間 2024年3月11日 — 2024年3月21日
お問い合わせ先 東京大学ヒューマニティーズセンター hmc-info*l.u-tokyo.ac.jp(*を@に置き換えてください)

HMCでは、定期的にフェローの先生をお迎えしてオープンセミナーを開催しております。
ご関心ある皆様のご参加をお待ちしております。
 

登壇者

発表者 大石 和欣 東京大学大学院総合文化研究科 教授
アルヴィ宮本なほ子
コメンテーター 東京大学大学院総合文化研究科 教授
主催 東京大学ヒューマニティーズセンター
報告概要

風景画はイギリス・ロマン主義の時代を特徴づけるジャンルのひとつだが、都市景観を描いた絵画も重要である。たとえば、テムズ川対岸のウェストミンスター寺院へと伸びていくウェストミンスター橋を描いたターナーの『ウェストミンスター橋 ー 川越しに見える寺院』(水彩画、1796年)は、水浅葱色の空と川面が、灰色に染まったロンドンの空気に溶けこむなかに橋や寺院などの建物が模糊として浮かんでいる彼らしい作品である。こうした表象は同時代の文学に描かれた都市景観とも共通する点がある。ロマン主義詩人ウィリアム・ワーズワスが1802年に同じウェストミンスター橋で詠んだ詩「ウェストミンスター橋にて詠める詩」は好例であろう。曙光を浴びた壮麗なロンドンの建物群がテムズ川の存在によって深遠な静寂に包まれ、そこにいまだ目覚めぬ「巨大な魂」の存在をおぼろげに感知する。

重要なのは上述のターナーの絵は他の類似の風景画と同様に、版画として広範囲に流通し、鑑賞されていたことである。ワーズワスも見ていた可能性はある。とくに都市に住む庶民にとって版画化された風景画は手軽に購入可能なアイテムであり、それらを自邸に飾ることで風景に対する嗜好を満足させ、結果として審美的価値を備えた都市景観をみつめる眼差しと美意識が形成されていった可能性がある。

今回のセミナーでは、ロマン主義時代のイギリスにおいて、川と橋のあるロンドン風景に対する美意識がどのように成立してったかを、版画とその流通や文学的表象との関係から解きほぐしてみたい。

大石の発表ののち、アルヴィ宮本なほ子氏のコメントを経てディスカッションに展開する予定であるが、参加者からのコメントや質問、意見も歓迎したい。
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