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HMCセミナー「死者・動物・環境──津島佑子『寵児』のクィア・エコフェミニズム」

掲載日:2024年3月12日

基本情報

区分 講演会等
対象者 社会人・一般 / 在学生 / 受験生 / 留学生 / 卒業生 / 企業 / 高校生 / 大学生 / 教職員
開催日(開催期間) 2024年3月19日 16時 — 18時
開催場所 駒場地区,ハイブリッド
会場 東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム1、およびZoomオンライン配信
https://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_17_j.html
参加費 無料
申込方法 要事前申込
現地参加の申し込みは3月17日(日)までとなります。オンラインでのご参加は直前まで受け付けております。 申し込み方法の詳細は、以下のリンクからご確認ください。
https://hmc.u-tokyo.ac.jp/ja/open-seminar/2024/107-tsushima-yuko-choji/
申込受付期間 2024年3月12日 — 2024年3月19日
お問い合わせ先 東京大学ヒューマニティーズセンター hmc-info*l.u-tokyo.ac.jp(*を@に置き換えてください)

HMCでは、定期的にフェローの先生をお迎えしてオープンセミナーを開催しております。
ご関心ある皆様のご参加をお待ちしております。

登壇者

発表者 村上 克尚 東京大学大学院総合文化研究科 准教授
木村 朗子
コメンテーター 津田塾大学学芸学部 教授
主催 東京大学ヒューマニティーズセンター

報告概要

津島佑子の『寵児』は、一九七八年に河出書房新社から書下ろしとして出版された。想像妊娠という女性の身体に深く根ざした仕掛けを用い、第一七回女流文学賞を受賞した本作は、津島の「初期の代表作」という位置を与えられてきた。

中立的な「文学」を装う「男流文学」への対抗物としての「女流文学」(のちに「女性文学」)という枠組みは、重層的な本作の一面に間違いなく重要な光を当てる。しかし、本作の主人公を動かす欲望が「女性」という概念のもとに集約されるかについては、ジェンダー論を経て、クィア・スタディーズが隆盛するいま、改めて問われて良いだろう。加えて、想像妊娠とは、女性の身体に関わる症候であると同時に、可視的なものと不可視的なものとの紐帯を証言する現象でもある。ここには、可視化への強迫観念に彩られた近代を超えた、不可視的なものを孕んで成立する世界への関心を読み取ることもできるはずだ。

本発表では、『寵児』に対する「女性文学」という従来の読みの枠組みを、エコフェミニズム、あるいはクィア・エコフェミニズムのほうにずらしていきたい。女性主人公のクィアな欲望に呼応して、死者・動物・環境という三つの潜在的な領域が呼び寄せられるという見通しのもと、『寵児』の新たな読みを探っていく。

村上による発表の後、津島の後期文学に注目して多くの重要な論文を発表してきた木村朗子とのディスカッションを行なう。本セミナーが津島文学への良き案内となることを願っている。

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