宮崎 裕子 様 ｜ UTokyo D&I 応援メッセージ

30年くらい前のことだったと思う。米国のロースクールの新任ディーンに会ったことがある。彼女曰く、私達のロースクールは世界中からできるだけ多様な学生に入学してもらうという方針で運営することにしたが、その理由は、学生のバックグラウンドが多様であることが学生にも教員にも刺激を与え、学生たちに好ましい影響を与えると考えるからだとのこと。彼女の言葉は、当時の日本の大学の法学部からは聞いたことのなかった運営方針で、私に強い印象を残した。これは、法学教育においても、出身国の如何に拘わらず自分とは違う価値観や意見に触れ、その違いを理解し、尊重できるように学生を育てる必要があるという彼女の信念に基づくものであったと思うが、その信念には大いに共感する。30年の時を経て、東大がD&I宣言を制定すると聞いた。とにかく歓迎したい。D&I宣言が、学生にも学校側にも高い自覚と責任を促すきっかけとなり、このキャンペーンが、東大の魅力をグローバルなレベルで高める結果をもたらす契機になることを期待したい。