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耳が光って血糖値をお知らせ 血糖値の長期体内埋め込み計測に成功

掲載日:2011年11月24日

糖尿病は脳梗塞などを併発することがあります。合併症を防ぐには血糖値の厳正な管理が不可欠です。多くの糖尿病患者は、1日数回、指などに針を刺し血糖値を計測しています。

© Shoji Takeuchi Research Group

しかし、血糖値は食事や運動により刻々と変動するため、1日数回の計測では経時的変化を十分とらえることはできません。連続計測のために半埋め込み型センサが市販されていますが、感染症などの理由から数日おきに取り替えが必要で、長期間の計測も困難でした。

東京大学生産技術研究所の竹内昌治准教授と許 允禎研究員らは技術研究組合BEANS研究所と共同で、血糖値に応じて光の強度を変えるハイドロゲルを開発し、ファイバー状に加工してマウスの耳に4ヶ月以上埋め込み、血糖値を計測することに成功しました。

研究グループはすでに、このハイドロゲルを用いたビーズ状の埋め込み装置の開発に成功していました(参照・2009年)が、体内でビーズが移動してしまうことや、回収が難しいという問題がありました。そこで今回は、ハイドロゲルを微小径ファイバーにすることによって、センサを埋め込み位置に長期間安定させること、体内から容易に引き抜くことを可能にました。さらに、ハイドロゲル内に生体適合性ポリマーを混ぜることで、埋め込み時の皮膚周囲の炎症が低減しました。

この微小径ファイバー型センサにより、埋め込み時の患者の負担が大幅に軽減するだけでなく、睡眠中なども自動的に血糖値を計測するシステムの実現が期待できます。なお、本研究は、NEDOの「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発プロジェクト」(BEANSプロジェクト)の一環で行われました。

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論文情報

Yun Jung Heo , Hideaki Shibata , Teru Okitsu , Tetsuro Kawanishi, and Shoji Takeuchi,?“Long-term in vivo glucose monitoring using fluorescent hydrogel fibers”
Proceedings of the National Academy of Sciences, Published online before print August 1, 2011. doi: 10.1073/pnas.1104954108
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参考資料(英語)

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