第4回 UTokyo Research, on site 東京大学の最先端エネルギー研究

太陽発電や風力発電などの再生可能なエネルギーへ電力源を移行していこうとすると、電力の供給と需要の管理について新しい課題がさまざま出てきます。
2014年7月8日(火)に駒場リサーチキャンパスにおいて生産技術研究所と先端科学技術研究センターを中心に“Energy Generation, Energy Management: Energy Frontiers at the University of Tokyo” (エネルギー産生と管理:東京大学の最先端エネルギー研究)と題して、第四回目の「UTokyo Research, on site」研究室ツアーを開催しました。
台風が日本に接近していたにも関わらず、天気に恵まれた一日となり研究の現場に9名(メディア関係者:2名、大使 館関係者:7名)の参加者を迎えました。参加者は前半に生産技術研究所と先端科学技術研究センターで行われているエネルギー研究の講演を聞いた後、質疑応答とコーヒーブレイクを挟んで2つの研究の現場を訪ねました。
ブリーフィング:生産技術研究所のエネルギー研究
まず、生産技術研究所 エネルギー工学連携研究センターの鹿園直毅センター長/教授から2008年に設立された同センターの8つの研究テーマと、物質とエネルギーを循環させて、生産、利用、再生する「物質・エネルギー環」というコンセプトとその具体例として固体酸化物形燃料電池、ガスタービンと蒸気タービンを組み合せたエネルギー循環の研究が紹介されました。
ブリーフィング:先端科学技術研究センターの再生可能エネルギー研究
次に、先端科学技術研究センターの岡田至崇教授から同センターの組織や教育システムの紹介に続いて、太陽電池に関する研究の紹介がありました。特に、太陽電池のエネルギー変換効率を高めるために行われている量子ドットと集光を用いた太陽電池の研究や白ペンキなどに含まれる酸化チタンに色素を混ぜて作製される色素増感太陽電池の研究が紹介されました。
ツアー:有機太陽光発電の進展
ブリーフィングの後は質疑応答とコーヒーブレイクを挟んで、2つの研究室を回りました。先端科学技術研究センターの瀬川浩司教授の研究室では、次世代の太陽電池の候補として、色素増感太陽電池、有機無機ハイブリッド太陽電池、蓄電機能を内蔵したエネルギー貯蔵型色素増感太陽電池の研究を行っています。今回は、色素増感太陽電池を目の前で作製するデモに加えて、多様な色彩やデザインを施すことのできるこの電池を大量に生産するための設備を見学しました。
ツアー: COMfort MAnagement House (COMMAハウス) 2020年のスマートハウス
COMMAハウスはエネルギー管理について実証的な実験を行えるキャンパス内に建てられた一戸建て住宅です。COMMAハウスを利用したエネルギー管理の研究を行っている生産技術研究所の岩船由美子准教授から、毎日電力使用状況がモニターされている様子、通風・採風実験に用いられている外付けの可動ルーバーや窓、1階と2階の吹き抜けを遮断して1階の気温を高めて暖房費を抑えられる開閉式膜天井、企業と共同で開発されているスマートフォンやタブレット端末のアプリが紹介されました。
Links
岡田至崇 教授
先端科学技術研究センター
瀬川浩司 教授
先端科学技術研究センター
鹿園直毅 センター長/教授
生産技術研究所 エネルギー工学連携研究センター
岩船由美子 准教授
生産技術研究所