記者会見「強誘電体NANDフラッシュメモリ、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)の書き込みを2倍に高速化、電源遮断時のデータ破壊も阻止」研究成果

報道関係者各位
記者会見開催のお知らせ
「強誘電体NANDフラッシュメモリ、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)の
書き込みを2倍に高速化、電源遮断時のデータ破壊も阻止」
発表日時: 2009年6月11日(木)14:00~16:00
発表場所:東京大学工学部列品館2階中会議室
(東京大学本郷キャパス:文京区本郷7-3-1 )
発表者:
竹内 健(東京大学 大学院 工学系研究科 電気系工学専攻 准教授)
酒井 滋樹(産業技術総合研究所 エレクトロニクス研究部門 フロンティアデバイスグループ グループ長)
発表概要:
フラッシュメモリはソリッド・ステート・ドライブ(SSD)の基本半導体部品である。SSDはパソコンやデータセンタのHDDを置き換え始めており、今後も大きな市場が見込まれるが、より一層の高速化と信頼性の向上が望まれていた。東京大学大学院工学系研究科 竹内健准教授は産業技術総合研究所 酒井滋樹グループ長のグループと共同で不揮発性ページバッファを備えた強誘電体NANDフラッシュメモリを開発し、SSDの書き込みを2培に高速化することに成功した。同技術は書き込み中の電源遮断時に、書き込み対象データの破壊を阻止することが可能であり、SSDの信頼性向上にも有効である。また、開発した強誘電体NANDフラッシュメモリは従来のフラッシュメモリに比べて、書き換え回数が1万回から1億回に増加、書き換え電圧が20Vから6Vに低電圧化する。強誘電体NANDフラッシュメモリを集積したSSDにより、パソコンやデータセンタの記憶装置の高速化・信頼性向上及び電力低減が可能になり、地球環境に優しいITプラットフォームを実現することが期待される。
発表内容:添付資料(別紙)をご参照下さい。
研究発表:2009年6月16日京都にて開催されるIEEE Symposium on VLSI Circuitsで発表。
問い合わせ先:
竹内 健 准教授
東京大学 大学院工学系研究科電気系工学専攻(兼)工学部電気電子工学科
〒113-8656 東京都文京区本郷7-3-1 工学部2号館
URL : http://www.lsi.t.u-tokyo.ac.jp
研究助成:
本研究はNEDO (独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成を受けて進められた。
用語解説:
①フラッシュメモリ:データの一括消去を特徴とする、電気的にデータの読み書きが可能で電源を切ってもデータが消えない半導体記憶装置。
②HDD(ハード・ディスク・ドライブ):磁性体を塗布した円盤(磁気ディスク)と磁気ヘッドを用いて、情報を記録または読み出す記憶装置。
③SSD(ソリッド・ステート・ドライブ):大容量のフラッシュメモリをハードディスクドライブの代わりに記憶媒体として用いる記憶装置。
④強誘電体トランジスタ:ゲート絶縁膜に強誘電体を用いたトランジスタ。ゲート電極に外から電圧を印加して強誘電体の電気分極の向きを変えることによりトランジスタのオン/オフを制御する。電源を切っても強誘電体の電気分極の向きが保存されるため、不揮発性メモリとして使うことができる。
添付資料:別紙(発表内容)
参照URL: http://www.lsi.t.u-tokyo.ac.jp