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“スピンの量子引きこもり現象”を解明籠目格子磁性体を中性子散乱で観察研究成果

“スピンの量子引きこもり現象”を解明籠目格子磁性体を中性子散乱で観察

平成22年 9月10日

大学記者会         御中
文部科学省記者クラブ  御中
文部科学省科学記者会 御中

東京大学物性研究所長  
  家    泰  弘

東京工業大学広報センター長  
大  倉  一  郎

“スピンの量子引きこもり現象”を解明
籠目格子磁性体を中性子散乱で観察

発表概要: 
 東京工業大学の小野俊雄助教,元東京大学物性研究所のキットウィット・マタン特任研究員(現タイ・マヒドール大学講師),東京理科大学の福元好志准教授らの研究グループは,籠目格子反強磁性体の非磁性状態におけるミクロな構造と励起構造を解明することに成功した。東工大が開発した籠目格子反強磁性体「フッ化ルビジウム銅スズ」(Rb2Cu3SnF12)を中性子散乱によって観察し,電子スピン対のシングレット状態が風車のように配列した構造を持ち,磁気が完全に消える磁性体の新しい基底状態 “スピンの量子引きこもり現象”を確かめた。
籠目格子反強磁性体での強いフラストレーションと量子力学的効果によるスピンの引きこもり現象は理論的に予測されていたが,ミクロの構造についてはさまざまな理論があり,統一見解はなかった。今回は観察によって構造を明らかにしたもので,磁気研究のフロンティアを開くことはもとより,籠目格子反強磁性体を母体とする新奇電子物性の開拓にもつながると期待される。
この成果は12日発行の英国学術誌「ネイチャーフィジックス」(Nature Physics)電子版に掲載される。

※詳細はリリース文書をご覧下さい。

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