親の応援が幼児の成功に対する認知処理を変える研究成果
東京大学大学院総合文化研究科の開一夫教授と中部大学人文学部心理学科の川本大史講師は、脳波の一種である事象関連電位(注1)を用いて、親の応援が幼児の成功・失敗に対する認知処理を変えることを世界で初めて突き止めた。具体的には、幼児がある課題で成功・失敗をした際に、親が隣で応援しながら課題を行った場合は成功・失敗を区別して認知処理できるのに対して、1人で行った場合は区別して処理できないことが示された。特に、応援がある場合は成功に対する報酬陽性電位(Reward positivity:注2)の振幅が大きくなることが明らかになった。これらの結果は、幼児の脳の発達には親の応援が重要な影響を及ぼす可能性を示しており、日ごろの親の関わり方が幼児の良し悪し判断や学習に重要な影響を及ぼすことを示唆している。
用語解説:
(注1)事象関連電位:
特定の刺激に対して生じる一過性の電位を測定したもの。
(注2)報酬陽性電位(Reward positivity):
報酬やポジティブなフィードバックに対して惹起される事象関連電位の成分。これまでの研究から、課題への動機や抑うつの高さによって振幅が変わることが知られている。
用語解説:
(注1)事象関連電位:
特定の刺激に対して生じる一過性の電位を測定したもの。
(注2)報酬陽性電位(Reward positivity):
報酬やポジティブなフィードバックに対して惹起される事象関連電位の成分。これまでの研究から、課題への動機や抑うつの高さによって振幅が変わることが知られている。
論文情報
Taishi Kawamoto*, Kazuo Hiraki*, "Parental presence with encouragement alters feedback processing in preschoolers: An ERP study," Social Neuroscience, doi:10.1080/17470919.2018.1527250.