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バイオ燃料を生産する酵素が効率的に働く仕組みを解明研究成果

掲載日:2019年4月17日

 藻類の一種であるラン藻(注1)は、酵素(注2)を用いて軽油に近い性質の燃料を生産できます。しかしラン藻にはさまざまな種類があり、どのラン藻に由来する酵素が効率的に燃料を生産できるのかは未解明でした。また、この酵素のはたらきを効率的にするための仕組みは不明でした。
 東京大学大学院総合文化研究科の工藤恒学振特別研究員と新井宗仁教授らの研究グループは、さまざまなラン藻に由来する酵素の効率を比較し、軽油に近い燃料を効率的に生産できる酵素を同定しました。また、この酵素を構成しているアミノ酸の一部を変えたときに、働く効率がどのように変化するのかを調べました。その結果、酵素のはたらきを効率的にする上で重要なアミノ酸を見出しました。本研究の成果は、今後、再生可能エネルギーであるバイオ燃料の生産の効率化に応用できると期待されます。
 本研究成果は2019年4月17日付でオープンアクセス誌「バイオテクノロジー・フォー・バイオフューエルズ」オンライン版に掲載されました。

用語解説
注1)ラン藻
 藻類の一種であり、シアノバクテリアともいう。光合成をして酸素を生み出す微生物である。海水や淡水などに生息する。植物がもつ葉緑体の起源と考えられている。
 
注2)酵素
 化学反応を触媒するタンパク質のこと。

論文情報

Hisashi Kudo, Yuuki Hayashi, Munehito Arai*, "Identification of non-conserved residues essential for improving the hydrocarbon-producing activity of cyanobacterial aldehyde-deformylating oxygenase," Biotechnology for Biofuels: 2019年4月17日, doi:10.1186/s13068-019-1409-8.

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