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酵素の高機能化によりバイオ燃料の生産性を向上研究成果

掲載日:2019年12月17日

 光合成を行う微生物であるラン藻(注1)は、酵素(注2)を利用して軽油燃料の主成分となる炭化水素を生産できます。近年、ラン藻による炭化水素の生産に重要な酵素AARが同定されました。しかし、その酵素がはたらく効率は低いため、炭化水素の生産性を向上させるためには、酵素を改変して高機能化させることが必要となっていました。

 東京大学大学院総合文化研究科の工藤恒学振特別研究員と新井宗仁教授らの研究グループは、酵素AARを構成するアミノ酸の一部を別のアミノ酸に置き換えたときに、酵素のはたらきがどのように変化するのかを詳細に調べました。その結果、酵素のはたらきを効率化させるアミノ酸置換を複数見出しました。さらに、これらのアミノ酸置換を多重に組み合わせることで、酵素AARを用いた炭化水素生産を効率化させることに成功しました。本研究によって得られた高機能化酵素は今後、再生可能エネルギーであるバイオ燃料の効率的な生産に応用できると期待されます。

 この研究成果は2019年12月17日付でオープンアクセス誌「バイオテクノロジー・フォー・バイオフューエルズ」オンライン版に掲載されました。

用語解説
注1)ラン藻
 藻類の一種。シアノバクテリアともいう。光合成によって酸素を生み出す微生物であり、海水中や淡水中などに生息する。植物がもつ葉緑体の起源と考えられている。多くのラン藻は、軽油に相当する炭化水素を生産できる。
 
注2)酵素
 化学反応を触媒するタンパク質のこと。
 

論文情報

Hisashi Kudo, Yuuki Hayashi, Munehito Arai*, "Improving hydrocarbon productionby engineering cyanobacterial acyl-(acyl carrier protein)reductase," Biotechnology for Biofuels: 2019年12月17日, doi:10.1186/s13068-019-1623-4.
論文へのリンク (掲載誌別ウィンドウで開く)

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